「(『モーツァルト』は、『アマデウス』だから、『好きなのは、海女/尼(アマ)さんデウス』とでも云い出すんだろうか?あ、いかん、いかん。アイツとやり取りしていると、こっちまでオゲレツになる)」
と、ビエール・トンミー氏は、自らの脳内に侵入したオゲレツ友人エヴァンジェリスト氏の像を振り払うように、頭を左右に振った。
そして、落ち着きを取り戻して、エヴァンジェリスト氏へのiMessageを打った。
====================================
「なら、アンタ、『モーツァルト』の何が好きなんや?」
「そりゃ、勿論、『からす麦の焼きたてクッキー』じゃね」
「『モーツァルト』の曲に、そないなんあったかいな?」
「いや、『モーツアルト』じゃけえ」
「まあ、『モーツアルト』と書く人もおるが、発音からしたら、『モーツァルト』の方がエエ」
「最初は、『モーツァルト』じゃったそうなんじゃが、今は『モーツアルト』なんじゃけえ」
「最初は、とか、今は、ちゅうことやないと思うんやけどなあ」
「最初の『バッケンモーツァルト』は、まさに、『モーツァルト』じゃったんじゃそじゃが、今の『バッケンモーツアルト』は、『モーツアルト』じゃけえ」
「何が、『バッテン』や。『モーツァルト』は、九州人じゃないで。オーストリア人いうか、まあ、『アーミッシュ』と同じで、ドイツ系とも云えるしな。『モーツァルト』が生れ育った『ザルツブルグ』は、オーストリアやが、当時は、『神聖ローマ帝国』の中にあったさかいな」
「アンタ、『バッテン』じゃと、文字メッセージで聞き間違えするいうんは、おかしいで。『バッテン』じゃのうて『バッケン』じゃし、『バッケンモーツァルト』の名前は、確かにオーストリアから来とるんじゃそうじゃが、『ザルツブルグ』じゃのうて『ウィーン』なんじゃそうじゃし」
「いや、『モーツァルト』は、『ウィーン』に定住して、そこで死にはしたが、『ウィーン』出身じゃのうて『ザルツブルグ』出身やし、そもそも、名前は『バッケン』やないで。『ヴォルフガング・アマデウス』や。あ、云うとくけど、『アマデウス』は、『海女(アマ)さんデウス』でも『尼(アマ)さんデウス』でもないで」
「アンタ、何をオゲレツなこと云うとるん?恥ずかしゅうないんね?」
「うっ…」
====================================
「(し、し、しまった!余計なことを云ってしまった)」
と、ビエール・トンミー氏は、恥辱に顔面中を朱に染めた。
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿