「(そうなんだ。ボクは、アイツに『源平藤橘』のことを話そうとしていたんだ。もう、話を混ぜっ返させないぞ)」
と、意を強くし、ビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏へのiMessageを続ける。
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「エエか。も一度云うたるけど、『源平藤橘』や。その『平』、『源』、『藤原』は、『氏』(うじ)ちゅうて天皇が与えた一族の名称やんやて」
「あのお、すまんが、『橘高』君を忘れとらん?」
「はあ?『橘高』君のことは、どうでもええ、んやなかったんやないんか?」
「ほいでも、ワシの大事な同級生を『etc.』扱いしんさんなやあ」
「『ETC』!」
「あれ、どしたん?アンタも、ワシの真似しとるん?」
「は?何が、何を、ワテがアンタの真似なんかすんねや?」
「ワシは『etc.』云うたのに、アンタあ、『ETC』云うとるじゃないね。ワシが、『モーツァルト』じゃのうて、『モーツアルト』に拘ったんとおんなじじゃないん?」
「アホか?もう、そないなどうでもエエことなんか覚えとらへんかったで」
「あれ?まさか『ETC』のことなん?」
「な、なんや、『ETC』のことちゅうて?」
「『ET』の『Cクラス』のことじゃあないけえね」
「どこの誰が、そう思うんや」
「『ET』の『Cクラス』のことじゃのうて、『ETC』カードのことよおね」
「ひぃえ!」
「なんねえ!?そうように驚いてえ。アンタ、まさか、アンタのベンツ『Eクラス』に、『ETC』の有効期限が切れとる、と注意でもされたんじゃないんじゃろうねえ」
「ち、ち、ちゃう、ちゃう。ワテの『ETC』の有効期限は、まだ後6日あるんや」
「ああ、『ETC』の有効期限が後6日と注意されて、焦ったんじゃね。アンタ、『ETC』カードは、クレジットカードの付帯にしとるんじゃろ?」
「クルマ持っとらへんアンタが、なんでそないなこと知ってんのや?」
「ああ、やっぱりそうじゃったんじゃね。で、クレジットカードと一緒で、何も云わんでも、『ETC』カードを送ってくるはずじゃのに、送って来とらん!、と怒ったん?」
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「(ああ、そうなんだ。『ETC』カードは、クレジットカードと一緒で、更新カードを自動的に送ってくるはずなのに、『コンチキショウ、まだ更新カード送って来いへんな。早よ送れえや、と文句云うたろ』と思ったんだ)」
と、ビエール・トンミー氏は、心中ながら、珍しく素直に、友人エヴァンジェリスト氏の言を認めた。
(続く)
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