「(いや、これが『本題』だったかどうかも分らなくなっているが、あの『問題』をアイツに突きつけない訳にはいかん!)」
と、若く、『原宿の凶器』の異名を取っていた頃の自分が『黄金風呂』に入った姿を想像し、一瞬、緩めていた頬を引き締め直して、ビエール・トンミー氏は、アイツこと、友人のエヴァンジェリスト氏にiMessageを送った。
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「そうだ。エキスではなく、出汁だがな」
「アンタ、若い娘を鉄製のお釜の『五右衛門風呂』に入れて取った出汁でも飲んで『回春』しようと思うとるん?」
「アホ!『檀ふみ』や」
「え!アンタ、やっぱり『檀ふみ』がお気に入りで、『檀ふみ』を『五右衛門風呂』に入れて取った出汁を飲んで『回春』しようとしとるん?あ、いや、まさか、一緒に?」
「もうエエ加減にせえよ!アンタ、『檀ふみ』に訴えられるで。そうや、アンタ、ホンマ、『檀ふみ』に訴えられかねんことしたやないか」
「いや、ワシ、『檀ふみ』とお風呂に一緒に入ったことはないで。好きなタイプでもないしの」
「アンタ、今流行りの『捏造』を20歳の年にしたやんか」
「いや、ワシには『五右衛門風呂』は造れんで」
「それは、『鋳造』やろが」
「ああ、『ネツゾウ』かあ」
「なんでカタカナにすんねん?また、アホなこと考えとのんやな」
「ワシ、発熱した象さんのアイコラを作る技術、20歳の頃は、持っとらんかったけえ」
「もうエエ!はっきり云うたろ。アンタ、『檀ふみ』からの手紙を『捏造』したやんか」
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「(もうアイツも、誤魔化しはできんだろう。どうだ、これでグーの音も出まい。フフ)」
と、ビエール・トンミー氏は、片方の鼻腔を拡げ、そこから息を吐いた。
(続く)
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