2023年3月7日火曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その54)

 


「(アイツ、多分、今度は、ワシに、『壇蜜』と『餡蜜』はどっちが好きか、とでも訊いてくるだろう。でも、思い通りにはさせんぞ)」


と、ビエール・トンミー氏は、心の中で腕まくりをした。



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「アンタ、『壇蜜』と『餡蜜』はどっちが好きなん?」

「ふん、やっぱりそうきたか。どっちも好きやで。『餡蜜』は美味しいし、『壇蜜』は、頭エエし、何でも本音で話すから好感持っとるで」

「ああ、ワシも、『壇蜜』のBS-TBSの番組『ご近所さんは世界から!』を見とったが、面白かったけえ」

「『壇蜜』は確か、『納棺師』いうんか?遺体を処理する資格持っとるやろ。アンタ、『壇蜜』に自分の遺体を処理してもろうて、この世で一杯に付いたオゲレツを洗い流してもろうて、綺麗な体になって、あの世に行きゃあええんやないか」




「『壇蜜』が持っとる資格は、『納棺師』じゃのうて、『エンバーマー』(遺体衛生保全士)なんよ。『納棺師』とか『湯灌師』とかがする『湯灌』とか『死化粧』は、遺体を洗うて綺麗にしてお化粧したり、着付けしたりすることで、精神的な意味合いのものなんじゃが、『エンバーマー』がする『エンバーミング』は、遺体を長期間保存する為に、腐敗防止措置をしたり、殺菌消毒をする物質的な意味合いのものんなんよ。国家資格じゃないらしいが、専門的な知識が必要な『エンバーマー』の資格を持っとる『壇蜜』は、大したもんじゃ」

「またごちゃごちゃ云いよるなあ。確かに、『壇蜜」は大したもんかもしれんが、そうやって、話を『壇蜜』に持ってことしとるんやろうけど、そうはいかんで、ワテが云うとるんは、『檀ふみ』や」

「ああ、『檀れい』かあ。アンタ、『檀れい』が好きなん?」

「強引な読み間違いすんのやなあ。『壇れい』は、綺麗な人やと思うが、よー知らん。で、『檀ふみ』のことや」

「アンタ、さっきから『檀ふみ』、『檀ふみ』云うて、『壇蜜』や『檀れい』より『檀ふみ』の方が好きなん?」

「はああ?『檀ふみ』は、もう、おばさん、いうか、おばあさんやで」

「アンタ、若い娘が好きじゃけえね」

「『檀ふみ』は、ワテらと同い歳やからな。せや!そこや!」

「どこや?どこにも、『檀ふみ』もなーんにも見えんで」

「そりゃ、な~んも見えんこと、知らんことにして、『檀ふみ』に関してアンタが犯した『罪」をなかったことにしたいんやろからな」

「あんな、ワシ、アンタと違うて、『檀ふみ』には関心ないけえ。別に好きじゃあないけえ」

「アンタ、その関心のない『檀ふみ』に関して『罪』を犯したんや」

「いなげなこと云いんさんなや。それじゃ、まるで、ワシが、『異常』犯罪者みたいじゃないねえ」


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「(ふん!まるで、自分が『異常』犯罪者ではない、という云い方だ)」


と、右頬を歪めたビエール・トンミー氏の顔は、『ジャン・バルジャン』を追い詰める警部『ジャベール』なものであった。



(続く)





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