「(ふふふ。『魔法の方程式』は、まだまだあるんだぞお)」
と、ビエール・トンミー氏は、頬を歪めた、一歩誤ると犯罪者になりかねない笑顔を浮かべ、友人のエヴァンジェリスト氏へのiMessageを続けた。
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「まだあるぞ!エエか!
(B)必ず9の倍数になる
(1)任意の数字を思い浮べる
(例)347
(2)逆から書く
(例)743
(3)大きい数字から小さい数字を引く
(例)743-347=369
→必ず9の倍数になる
どや?」
「ワシ、文學修士じゃけえ。疲れたあ」
「よっしや。また別の疲れること教えたるで。『2000年問題』が騒がれていた頃に知った『年月日に関する情報』や」
「おお、懐かしいのお!エレベーターが止まるとか、止めんといけんとか、大騒ぎじゃったのお。アンタあ、エレベーターが止まった方が、良かったんじゃろうがのお」
「はああ?またまた訳の分らんこと云いよるなあ」
「会社の同僚美人OLと態と一緒にエレベーターに乗って、『2000年問題』で止まって、中に閉じ込められたら、エエことしょう思うとったんじゃないん?」
「オゲレツはもうエエ!」
「ああ、その頃は、ワシ、『2000年問題』のせい、いうか、そのお陰で、主力商品(システム)が売れに売れて大忙しじゃったのに、アンタあいう男はのお」
「妄想もエエ加減にせえよ。あの頃、ワテはもう結婚して、愛する家内がおったんや」
「ああ、アンタより10歳も若うて綺麗な奥様じゃね。でも、奥様は奥様、『主食』じゃろ?でも、『デザート』は『別腹』じゃろ?」
「そりゃ、まあ、『デザート』召し上がれ、ちゅうオナゴはようさんおったんは事実や。でも、ワテは家内一筋なんや」
「銀行なんか、丁度、その頃、金融監督庁(今の金融庁じゃね)から、『自己査定』せえ、云われて大変になっとったあいうのに、アンタあいう男はのお」
「やからあ、妄想もエエ加減にせえよ。銀行の『自己査定』ちゅうんが何か、よう知らへんが、アンサン、自分のオゲレツ度を自分で査定して改めえな」
「おお、さすが、天下の超難関『ハンカチ大学』商学部出身じゃね。『自己査定』のこと知っとったんじゃね。1999年に金融監督庁から発表された『検査マニュアル』も読んだん?」
「おお、それや、それや!『1999年』なんや。ええか。
・全て奇数の年月日 【1999/11/19】
・次の全て奇数の年月日 【3111/1/1】
→今後1112年間ない。
・全て偶数の年月日 【888/8/8】
・次の全て奇数の年月日 【2000/2/2】
→こちらも1112年間なかった。
どや!?」
「アンタあ、それ、奥様にも披露して、『あ~ら、知的な人っ!』と、メロメロにしたんじゃろ?」
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「(うーむ。ところが、そうじゃなかったんだ。家内に、年月日に関する情報を説明しても、『あ~ら、凄いわねえ』と言葉だけの感心しか示さなかった。ボクの博識には慣れっこになってしまってるんだ)」
と、ビエール・トンミー氏は、結婚前後の、まだ初々しく、こちらの披露する博識に対して、何にでも、『へえええ!すご~い!』と感嘆していた頃の妻を思い出した。
(続く)
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