「(『金日成』のことを『ナル』ちゃんと呼ぶのは、両方の側のある種の勢力から標的されるかもしれないのに…)」
と、ビエール・トンミー氏が、怖れを知らない友人エヴァンジェリスト氏のことを心配しているのをよそに、そのエヴァンジェリスト氏は、呑気なiMessageを送ってきた。
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「アンタあ、『ビーちゃん』と呼ばれとったんじゃろ、『みさを』いう女に」
「へ?知らん、知らん。そないなん、『プロの旅人』の妄想やあ!」
(参照:治療の旅【江ノ島/鎌倉・編】[その14])
「ほうかねえ。要するに、『前田日明』も名前から『日』をとられるん嫌じゃったんじゃろう。名前研究家のアンタじゃったら、その辺のことはよう分りんさるじゃろうけど」
「お、せやった!名前の説明や。名前に地名が使われるようになった結果、『平氏』の中で区別つける必要のうなって、『の』を付けん呼び方になったんや。やから、『源平合戦』は、実は『平平合戦』で、東軍、つまり、『源氏』側の『千葉常胤』、『三浦義澄』、『北条義時』は、実は全員、『平氏』やったんや」
「アンタもくどいのお。その説明、もう聞いたで」
「アンサンが、直ぐに話をそらすさかい、も一回、説明し直さなあかんのやないか。エエか、『足利尊氏』かて『源氏』の一族やからホンマは『源尊氏(みなもと の たかうじ)』やけど足利が本拠地やったから『足利尊氏』や」
「『アシカ』が好きじゃったけえ『足利尊氏』、いうことじゃないんじゃね」
「アホか。また、アイコラ対策か?エエか、『足利』は、地名からきてんのや」
「『長州力』が、本当は、『吉田光雄』、いや、2016年より前は、『郭 光雄(かく こうゆう、クァク・クァンウン)』じゃったけど、山口県出身、つまり、『長州』出身じゃけえ、『長州力』になったんと同じじゃね」
「同じやあらへん」
「もう分っとると思うけど、『長州力』も『前田日明』と同じで、在日韓国人なんよ。2016年に帰化したけど、それまでは韓国籍じゃったけえ、アマレスの全日本学生選手権で優勝しても、オリンピック日本代表になれんで、韓国代表としてミュンヘン・オリンピックに出たんよ。でも、日本で生まれ育ってきたけえ、日本代表になれんのは、悔しかったんじゃろうと思うんよ」
「あんなあ、『長州力』のことはどうでもエエんや」
「何、冷たいこと云うんねえ。『長州力』もあの頃、あそこで、聞いとったんじゃろう思うんよ。『第1のコ~ス!ビエール・トンミーくん!』云うんを」
「はあ?」
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「(あ~あ!アイツと話していると、っていうか、アイツとiMessageのやり取りをしていると、頭が痒くなる)」
と、ビエール・トンミー氏は、iPhone14 Proをベッドサイドのテーブルに置き、両手で頭を掻き毟った。
(続く)
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