「(まあ、スキーのお陰で、ボクは、『部長』にはなれたんだが)」
と述懐するビエール・トンミー氏は、『記憶にありまへん』という自らの前言を翻して、友人のエヴァンジェリスト氏に、自らのスキー遍歴についてiMessageで語りだした。
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「あんな、ワテ、スキーではホンマ、あんまり『悪さ』してへんねん。ワテは、会社のスキー部『部長』やったんや」
「え!なんじゃとて!」
「会社の『部長』はそもそも少ないポストで、そこに到達出来変人が大部分やったんやが、ワテは、その中の最年少の『部長』になったんや」
「何歳で『部長』になったん?』
「29歳や。でも、『部長』とはいえ、スキーの技やスキー熱の高さで『部長』になったんやなく、前『部長』の強制命令やったんや。任務は、旅行代理店と一緒や。合宿の手配全般が、ほば唯一の任務やった」
「『部長』権限で、アンタ、自分と若い美人スキー部社員をホテルか旅館で同室にしたんじゃろう?」
「んなアホな。企画・宿とバスの手配(ここは本物の代理店と契約〕、周知・募集・会計…と、真面目なもんや」
「なんねえ、そりゃ、詰まらんねえ。でも、スキーでは、あんまり『悪さ』してへんねん、いうことは、少しは『悪さ』したんじゃね」
「やから、他人の言葉尻を捉えんやないで。スキーは、プライベートでもかなりやったんやけど(苗場、草津、軽井沢・蔵王、富良野、トマムやな〕、真面目にスキー道に邁進してたんや。でも、90年代初めにピタッと熱が冷めて、道具一式処分したで。思えば、ブームの頃は電車の中でスキーとキャリアーをもった若者がぎょうさんおったし、屋根にはスキーキャリアをのせたクルマも多かったで。ワテの車もせやったんや」
「ほいじゃたら、『悪さ』したんは、テニス方じゃったんじゃね。テニスでは、オナゴのスコートが揺らめくのに興奮しとったんじゃろ?」
「それはアホな素人さんが考えることや」
「素人で悪かったのお」
「なんや、アンサン、スコートが揺らめくのに興奮しとんのか?」
「玄人は、どう興奮するん?」
「興奮なんかしとらへん。ワテ、テニス道にも邁進やったんや。大学の体育も2年の時はテニスやったで(1年目はボートのエイトや) 。フェンシングを選択しょうとも思うたんやが、土曜、朝9時からの授業ちゅう人権蹂躙の授業やっやさかいやめたで」
「アンタ、知っとると思うが、ワシ、会社のテニス部じゃったんよ」
「信じられへん」
「ラケットは持っとらんかったけどのお」
「益々信じられん。宴会要員か?」
「いや、女の子目当てで入っただけじゃけえ。夏合宿も行ったんよ」
(参照:【曲がったことが嫌いな男】石原プロに入らない?入れない?[その107])
「ワテが、大学の語学でフランス語を選択したのと同じ理由や。オナゴは、大期待ハズレやったが。でも、テニスしたんは、オナゴ目当てやなかったで」
「で、真面目に『マッケンロー』のファンじゃったん?」
「『マッケンロー』いうたら、大昔の選手やろ。ヤンチャな選手ちゅうイメージがあるな。別にファンやあらへん」
「ほいじゃったら、なんで『マッケンロー』云うてきたんや?」
「アンサンの方やないけ、『マッケンロー』云うてきたんは」
「云うとらんけえ。ワシが、云うたんは、『マッケンユー』と『ゴードン』じゃけえ」
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「(ふん!ボクが、『マッケンユー』を『マッケンロー』と勘違いしたのはその通りだが、アイツ、ボクに間違えさせようとしたんだろう)」
と、ビエール・トンミー氏は、今頃、自宅のMacの前で、汚い歯を口からのぞかせ、北叟笑む友人のエヴァンジェリスト氏の姿を思った。
(続く)
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