「(それにしても、アイツ、テニスには興味なかったはずだが…)」
と、ビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏がテニス選手らしき名前を持ち出してきたこと違和感を覚え、エヴァンジェリスト氏にiMessageを送った。
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「『ゴードン』なんちゅうテニス選手おったかいな?」
「へ?アンタ、何云うとるん?」
「それは、こっちのセリフやで。『機関車トーマス』の『ゴードン』なら知っとるけど、ワテ、同じイギリスのアニメやったら『ウォレスとグルミット』の方が好きやで。まあ、アニメいうても、ホンマはコマ送りの人形が動くクレイアニメやけどな」
「アンタ、『SNCF』の大家じゃけど、フランスよりイギリスの方が好きじゃけえね」
「勿論、イギリスの方が好きやで。初めて行った外国がロンドンちゅうこともあるが、イギリスの方に親しみがあるで。看板の文字が読めるちゅうのも大きいで」
「でも、なんで、イギリスのアニメの話してくるん?」
「アンサンが、『ゴードン』なんちゅうテニス選手の名前だしてきたんやないか」
「『ゴードン』は、テニス選手じゃないし、機関車でもないけえ」
「せやけど、アンサン、『マッケンロー』云うたやないか」
「アンタ、いつもスポーツには興味ない云うとるけど、テニスは好きなん?」
「テニスは興味あるで。ウインブルドンは毎年見とる。力強過ぎる男子よりラリーが続く女子の方がオモロいで。ナブラチロワの試合は、横浜アリーナに見に行ったで。誰かは忘れたが東京体育館にも見に行ったで」
「スポーツにゃあ興味ないんかあ思うとったが、アンタ、一部特定のスポーツには興味あるんじゃね。テニスはしとったん?会社のテニス部にでも入っとったん?奥様と『ラリー』とったん?ふふ」
「アンサンが云うと、『ラリー』もなんかオゲレツな感じがするで。ワテ、会社のテニス部にやのうて、家内とテニス教室に行ってたんや。真面目なもんや。独身の若い頃は、毎年スキーにも行ってたで」
「おお、なんと、なんと、『南都雄二』!奥様とテニス教室に行っとったんは、結婚後なん?結婚前?スキーは、奥様とも?」
「スキーは学生時代からや。テニス教室は結婚後や」
「学生時代のスキーでなんか『悪さ』したん、オナゴに?」
「ノーコメントや。事務所を通してくれえな」
「ああ、『悪さ』したんじゃね」
「記憶にありまへん』
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「(スキーでは、あまり『悪さ』はできなかったんだ。少なくとも、会社のスキー部で行ったスキーでは)」
と、ビエール・トンミー氏は、社内で仕事でもないのに忙しく電話する若い頃の自分の姿を、少々苦々しく思い出していた。
(続く)
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