「(『マッケンユー』が何か誰か知らないが、アイツ、今度は、『マツケン』の方にでも話を持っていくつもりだろう)」
と、ビエール・トンミー氏が、友人のエヴァンジェリスト氏に先を行こうとしていると、エヴァンジェリスト氏から、その動きを読んだかのようないMessageが入った。
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「アンタ、『マッケンロー』の後、今度は、『♩オ~レエ! オーレエ!』と『マツケンサンバ』でも歌い出すんじゃないじゃろうねえ」
「そなアホな。それは、こっちのセリフやで」
「『マッケンユー』は、『マッケンロー』でも『マツケン』でもないけえ。『新田真剣佑(あらた・まっけんゆう)』なんよ。で、『ゴードン』は、『眞栄田郷敦(まえだ・ごうどん』じゃけえ」
「なんや、そのケッタイな名前はあ?」
「2人とも、『千葉真一』の息子なんよ」
「2人とも、『千葉』やないんか?」
「『千葉真一』の本名は、『前田禎穂(まえだ さだほ)』じゃあ、云うたじゃろうに」
「やったら、『マッケンユー』は、なんで『前田真剣佑』やないんや?『ゴードン』は、なんで『前田郷敦』やないんや?あ、いや、そないなことどうでもエエ」
「なんかのお、『マッケンユー』は、映画『ちはやふる』で演じた役名から『あらた』を持ってきたらしいんよ。アンタ、『ちはやふる』は知っとるじゃろ?『競技かるた』、そう、百人一首の戦いよお」
「そないな説明いらん!」
「『ゴードン』は、『真一』の『真』の文字を入れたかったけえ、みたいな話を聞いたことがあるんよ。でも、そういうたら、『眞栄田』の『眞』は、『萩原眞一』の『眞』じゃねえ!『千葉真一』は、アンタの忠告を予期しとったんじゃろうか?」
「ああ、説明いらん、いらん!ワテ、なんで興味あらへん『千葉真一』の息子の名前の由来なんか聞かんとあかんねん」
「じゃって、アンタが、もう『千葉真一』も『萩原眞一』も持ち出してくんのやないで、と云うたけえよねえ」
「それでなんで、『千葉真一』の息子が出てくんのや」
「そりゃ、もう『千葉真一』の時代じゃのうて、『マッケンユー』と『ゴードン』の時代じゃけえ云うたじゃろうがいねえ」
「アンタ、態と論理のすり替えしきてんねやな。ええか、ワテは、名前の研究の成果をアンタに教えたってたんや。鎌倉時代から平氏と源氏をルーツとする武士が増え、『平』や『源』では家の区別がつきにくくなったんや。皆んな『平』のナントカだらけになったんやな。で、かわりにそれぞれの家が本拠を置く土地の地名が注目されるようになって、一族としては平氏なんやけど家を呼ぶには地名が使われるようになったんや。例えば、千葉に本拠地があるから千葉常胤、ちゅうことになったんやが、ここで、『千葉真一』も『マッケンユー』と『ゴードン』もいらへんで」
「千葉に本拠地があるから『千葉ロッテマリーンズ』いう感じじゃね」
「無視するで。もう殆ど結論のことこまで来てんのやさかいな。『北条義時』かて伊豆の北条ちゅう地名から来てんのや。彼らは、皆んな『平氏』の一族で、『平常胤』、『平義澄』、『平義時』なんやで」
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「(ああ、ようやく名前の研究の話に戻せたああ)」
と、ビエール・トンミー氏は、疲れ果て、椅子の背凭れに、どんと背をぶつけた。
(続く)
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