「(まあ、アイツのことだ、どうせ、難しげな論文のタイトルをネットで拾ってきてパクったんだろうが、こっちも負けてはおれん)」
と、ビエール・トンミー氏は、眼に輝きを灯して、友人エヴァンジェリスト氏向けにiMessageを打ち始めた。
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「ああ、アンサン、よう分っとるやないか。『SNCFのフランス経済に果たした役割に関するインモーの関与』ちゅう大論文も、ワテなら(ワテだけ)書けるで」
「おお、さすがSNCFと『インモー』研究の大家じゃねえ」
「ワテは美術史の大家でもあるんやで。『インモー』研究の出発点は美術史や。せやから『女性美術史学者におけるインモーの位置付け』ちゅう論文も書かんとアカン」
「あの『女性美術史学者』じゃね。あの『女性美術史学者』は、『インモー』いう言葉を発する時、自分の『インモー』を頭に描いたんじゃろうか?」
「そうや、女性が、それも若くて眉目秀麗で、しかも博士号まで持つ女性が、大勢の人の前で(受講者の前で)、大声で『インモー!』と発声した衝撃の事実がワテの『インモー』研究の原点や」
「アンタ、『インモー!』という叫びと共に飛んできて、机の上のアンタのノートに付いた唾を指で拾って舐めたんじゃろう」
(参照:【独白】新・フレグランス作戦だ!....いや、勉強、勉強だ….【ビエール・トンミー氏の優雅な老後】)
「この論文の中心は、ドラクロアの『民主を導く自由の女神』という絵画が理論構成の中心になるで。ワテ、この絵を見る度に、『インモー』を思い出すで」
「あの絵にある『インモー』は、男のもんじゃないん?あ!そうかあ!問題は、『インモー』そのものじゃのうて、『女性美術史学者』の口から『インモー』いう言葉が出てきたことなんじゃね!つまり、『インモー』は単なるブツではなく、麗しい女性の口から発せられる音でもあるんじゃね!?」
「そうや、女性が大勢の人の前で大声で『インモー!』と発声した衝撃の事実がワテの『インモー研究』の原点や」
「でも、アンタ、週刊ポストの記事『ヘアの森へようこそ ザ・陰毛 BEST HAIR35 -35人の漆黒ヘア- アンダーヘアは十人十色!あなたの推し”ヘア”が見つかる!』を読んだんじゃないん?いや、ヨダレ流しながら、載っとる写真を見たんじゃないん?」
「うっ…」
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「(週刊誌はなんでもdマガジンで見ているが、週刊ポストのあの記事は、dマガジンでは割愛されていたから、『生』週刊ポストを買いに行かないと行けなかったんだ)」
と、ビエール・トンミー氏は、その記事がdマガジンに非掲載だったことにがっかりすると共に、でも非掲載だからこそ唆られるものがあり、まだ見ぬその記事に『興奮』したことを思い出した。
(続く)
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