「(いや、アイツが知るはずはない。それに、何もなかったんだ、彼女とは…)」
と、ビエール・トンミー氏が、仕事の関係で出会った『リー・チンリン』に似た台湾女性のことを思い出していると、友人のエヴァンジェリスト氏から、戯けたiMessageが入った。
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「あ、間違うた。台湾の女性じゃのうて、香港の女性じゃね」
「はあ?」
「『オッカーノウーエ』じゃね」
「また、それかいな。『アグネス』は確かに、若い頃、お気に入りやったが、彼女ともな~んもあらへんかったんや」
「彼女とも?」
「うっ…言葉の綾や。アンサン、そないにして、話をあっちゃこっちゃ持って行くんやな」
「お!そうじゃ!『行』は、『い』とも読むんじゃないん?」
「ああ、まだあったな。せや、『行った』の『い』や」
「『行く!行く!行く!』を忘れんでや」
「オゲレツは、どっかに行てまえ!ええか、次の例や。
『ニ』
小学二年生の二郎は学級で二人目の転校生だ。
まだあるで。
『日』
今年の元日は日曜日だった。
まだまだあるで。
『大』
大介は大切な物を大きな風呂敷に包んだ。
な、ワテら日本人は、意識せんでも同じ漢字を場合によって読みわけとるんや」
「『三』でもいけるで。
『三國連太郎』が才能を評価した『敬三』は、三番目の男の子じゃったけえ、『敬三』いう名前になったんじゃろうか?
どうねえ?」
「はあ?」
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「(まあ、確かに、アイツが云うように、『三』も色々な読みがあるが、なんで『三國連太郎』を持ち出してくんのやろ?)」
と、ビエール・トンミー氏は、凄みのある俳優、というか、『怪優』とも云うべき俳優の顔を思い浮かべた。
(続く)
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