「(『萩原眞一』君は、真面目そうな英文学の学生だったと思う。英文学と仏文学の違いはあっても、同じ文學修士なのに、片や、慶應義塾大学理工学部の名誉教授、で、アイツときたら、70歳も近いというのに、日々、くだらないアイコラを作り、『んぐっ!』連発のBlogを書いているオゲレツ老人だ。ああ、友人ながら情けない)」
と、ビエール・トンミー氏が、なんだかんだ云いながらも、自分がエヴァンジェリスト氏の友人であることを認識した時、エヴァンジェリスト氏の方も、彼を友人と認識するiMessageを送ってきた。
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「まあ、アンタも『インモー研究』に関しては、市井に埋もれているとはいえ、第一人者じゃけえねえ。『萩原眞一』には負けとらん。ワシ、アンタの友人として誇らしいでえ」
「お?おお、おお、せやで。自分の口から、第一人者とは云えへんが、まあ、他の誰にも負けるとは思うとらへんで」
「そこで、ちょっと訊きたいんじゃが、アンタのインモー研究では、その対象は、『インモー』の『毛』なん?それとも『毛』の下の部分なん?或いは、『毛』と『毛』の生えとる地域一帯なん?『毛』の存在意義なん?『毛』の形状なん?質なん?量なん?『毛』もしくは、その下の部分の臭いなん?女のだけなん?男の場合は、『インモー』の間に『如意棒』が起立しとるけど、それも研究対象になるん?」
「おいおい、エライ具体的な質問やな。でも、深淵で難解な『インモー』研究を少しでも理解したい(ホンマはなかなか理解デケンのやがな…)という、アンサンの意気込みは評価に値するで」
「ワシ、アンタあ、天下の慶應義塾大学理工学部の『萩原眞一』名誉教授にも負けん知性の塊じゃあ思うとるけえ」
「アンサン、珍しく、ちゃんと『知性』と入力できたやんか。普段なら、『痴性』と入力してまうところやろう。それなら、ワテも真面目の答えたろやないか。エエか、まずやな、『インモー』は当然。下の毛や。上の毛は、『ワキガ』ちゅうマイナーな別の研究領域や」
「先生、申し訳ないがのお、それ、『ワキガ』じゃのうて、『ワキゲ』じゃろ?」
「ああ、すまん、すまん。ワテの方が、入力ミスしてもうたなあ。確かに、上の毛は、『ワキゲ』や。でもな、『ワキゲ』は、『ワキガ』と切っても切り離せんもんで、『ワキゲ』ちゅう言葉を云うたり聞いたりするだけで、なんか、ぷ~んと臭うてくんねん」
「先生、アンタ、その臭いにクラクラするんじゃろう?」
「え?...」
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「(そうだ。自分ではそのつもりはなかったが、確かに、無意識裡に『ワキゲ』を『ワキガ』と入力してしまうものが、ボクの中にあったのかもしれない)」
と、ビエール・トンミー氏は、部屋の鏡に映る自身の姿を凝視め、その奥に潜むものを覗こうとした。
(続く)
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