「(『ブレイキングダンス』でも『ブレイキン』でも、どっちにしても、あんなん、どこが面白いんだ!?いや、面白くなくてもいいが、スポーツなら、あんなダボダボの服ではなく、体操のように、白のランニングと白の短パンかロングパンツにすべきじゃないか!)」
と怒り心頭のビエール・トンミー氏は、その怒りそのままに、友人のエヴァンジェリスト氏へのiMessageを続けた。
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「IOCは若者(特に、アメリカの不良)に媚びてこんな不良のモンを競技に加えてやがるんや」
「個人の感想です」
「オリンピックは、正式な学校教育で教えとる種目に限らんとアカンやないか!スケボー、スノボー、ビーチバレー、マウンテンバイク、BMX。皆んな不良のやることや」
「個人の感想です」
「ゴルフは別の意味でオリンピックに相応しくないで」
「ワシも、ゴルフはオリンピックに相応しゅうない思うで。金持ちのやるモンじゃけえ」
「そりゃ、個人の感想やな」
「その意味ではテニスもダメじゃあ思うとる」
「それも、個人の感想やな。テニスが金持ちのスポーツやなんて、アンサン、ちょっと古いで。確かに昔は、皇族なんかがしてたスポーツやさかい、そないに思われてたかもしれへんが、今や誰でも手軽にするスポーツやで。アンサンかて、会社のテニス部やったんやろ?そう云うたやないか」
「ああ、そう云うたし、部費もちゃんと一回は払うたけえ、ワシ自身はテニス部員じゃったと思うとるんじゃけど、ワシ、部員名簿に名前載せてもろうとらんかったんよ。ありゃ、多分、ワシが貧乏人で、金持ちのスポーツのテニスの部員に相応しゅうない、とされたんじゃあないかあ思うんよ」
「それはやなあ、アンタが、オナゴ目当ての不純な動機で入ったからやないんか?それに、ラケットも持ってなかったんやろ。そりゃ、部員としては認められへんで」
「ワシ、どうせオリンピックに新しい種目入れるんじゃったら、『パン食い競争』を入れたらエエ思うんよ」
「ああ、世界各国の選手らが、口を大きゅう開けて、ぶら下がったあんぱんに必死でくらいつく姿、平和で、なかなかエエかもしれんな」
「『借り物競争』もエエ思うんよ」
「おお、観客席には世界中から来た色んな国の人がおって、選手は、そういった観客から何か借りるんも、世界平和にもなるエエ競技やで」
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「(アイツの発想は、馬鹿げているが、ある意味、的を射た提案だ)」
と、ビエール・トンミー氏は、新国立競技場で、世界中の選手たちが『パン食い競争』や『借り物競争』をする様を想像し、微笑んだ。
(続く)
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