「(分ってるんだ。アイツが、あっちへこっちへと話を逸らすのは、鎌倉時代あたりの名前の由来に興味がないからだ。でも、ボクは、自分が研究したことを披露したいんだ!でも、披露する場は、残念ながら、アイツとのiMessageしかない…)」
と、ビエール・トンミー氏が、友人のエヴァンジェリスト氏とのiMessageが表示されたiPhone14 Proの画面を嫌悪とある種の郷愁とが綯い交ぜになった感情で眺めていると、その画面が勝手にスクロールした。エヴァンジェリスト氏からのimessageが届いたのであった。
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「なんか『へいし』ばっかりで、『♩ヘイヘイホー』になってしまうのお」
「止めれ、止めれ。アンタ、そうやって話とは関係ないモンを強引に持ち出してくんのは、アイコラ挿絵の為やろ?」
「アンタ、何云うとるん?」
「まあ、とぼけんのなら構へん。名前の話、続けるで。名前に地名が使われるようになった結果、『の』を付けん呼び方になったんやて。『平氏』の中で区別つける必要のうなったからやな。やから、『源平合戦』は、実は『平平合戦』なんや。東軍の『千葉常胤』、『三浦義澄』、『北条義時』は、全員、『平氏』なんやけど、彼らの親分は『源氏』の棟梁の『源頼朝』やったんや」
「『新日』を飛び出した『長州力』ら『維新軍』云うか『ジャパンプロレス』の連中の親分が、『ジャイアント馬場』じゃったあ、いうような感じじゃね」
「さっぱり分りまへん」
「『長州力』らは、ホンマは、いうか、『出』は『新日』じゃけえ、元々の親分は、『アントニオ猪木』じゃったんじゃけど、『全日本プロレス』に移籍したけえね」
「そないなこと、知らんがな」
「でものお、『長州力』らが、『全日本プロレス』に移籍したんは、『前田日明』によると、『猪木』から、『行け』云われたからじゃあ、と『長州力』から聞いたんじゃと」
「『前田禎穂(まえだ さだほ)』か『前田ニチメイ』か誰か知らんが、その男が何云うたとしても、ワテ、関心あらへん」
「おお!『前田禎穂(まえだ さだほ)』がすんなり出てくるところを見ると、アンタあ、やっぱり『千葉真一』のことが気になっとるんじゃね」
「なっとらへん。アンサンがしつこ~何度もそん名前出して来たさかい覚えてもうただけや」
「まあ、恥ずかしがりんさんなや。でものお、『前田ニチメイ』と違うで」
「何が違うんか知らへんが、どうでもエエことや」
「『前田日明』の『日明』は、『アキラ』と読むんよ。でも、本当は、『イルミョン』なんじゃと」
「やからあ、『日明』が、『アキラ』でも『クラッカー』でもなんでもエエことや」
「うおー!アンタあ、なんねえ!」
「おいおい、大声出すんやないで」
「アンタあ、何もかも凄いのお。iMessageの文字見て、大声じゃあ、と判るんじゃね」
「ああ、ワテくらいになると、そんくらいは判るんや」
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「(あ!しまった。また、アイツのペースに嵌ってしまった…)」
と、ビエール・トンミー氏は、実際の両手は動かさなかったが、頭を抱えてしまった。
(続く)
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