チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】（その296）

 

「（どうして、『おそれ入谷の鬼子母神』なんてギャグの由来を聞かされないといけないんだ？一体、何について話していたんだったか？）」

と、驚異の記憶力を持つビエール・トンミー氏が、記憶を辿れず、苛立ちを感じていると、友人のエヴァンジェリスト氏から、更になる苛立ちを感じさせるiMessageが届いた。

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「冗談じゃないけえ。アンタの慧眼を『恐れ入りました』と褒めとるんじゃないねえ。あ、『慧眼』じゃけえね。『コーガン』じゃないんよ」

「アホンダラ！」

「アンタあ、『おそれ入谷の鬼子母神』の『鬼子母神』云うたじゃろ。『鬼子母神』は、仏教の守護神じゃけえ。『頼母子』は、仏教的なもんじゃあないけど、『頼母子』とおんなじ『無尽』は、仏教由来の言葉なんじゃと。アンタあ、それ知っとって、『鬼子母神』云うたんじゃろ。での、『無尽』が、どう仏教由来かと云うとのお…」

「ああ、いらん、いらん！そないな説明、一般読者ももうウンザリやろ」

「はあ？一般読者？」

「なんで、ワテも一般読者も、アンサンから『無尽』の由来を聞かなあかんねん？それ以前に、なんで、『無尽』ちゅうもんのことを聞かされなあかんのや？」

「そりゃ、アンタが『太陽銀行』云うてきたけえじゃないねえ」

「確かに、『石原慎太郎』は、自分が作った銀行の名前を『太陽銀行』にしたら良かったんやないか、とは云うたで。それが、何で、『無尽』の話になんねん？」

「今の『三井住友銀行』の前身の一つの『太陽銀行』はのお、あ、間違えんさんなよ、宮崎の広島にある『太陽銀行』じゃないけえね」

「また妙なこと云い出しよるでえ。『宮崎の広島にある』て、意味不明やで。どこにあってもええけど、問題の『太陽銀行』とは別の『太陽銀行』があんのやな？で、その『太陽銀行』は、宮崎にあんのか？それとも広島にあんのか、どっちやねん？広島には、『広島銀行』があるんは知ってるけど、他にどないな銀行があんのかは知らんで」

「アンタ程の知性の持ち主が、何聞きよるん？『宮崎の広島にある』云うたじゃろうがいねえ。その『宮崎太陽銀行』の本店は、『宮崎市広島2丁目』にあるんよ。宮崎駅から歩いて行けるところなんよ。での、宮崎駅から『宮崎太陽銀行』の本店に行く途中の『山小屋』には、よう寄ったんよ」

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「（畜生！アイツ、また態とコチラが混乱するような云い方をしてきたんだ。最初から、ちゃんと、『宮崎市の広島という地名のところにある』と云えばいいんだ）」

と、ビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏に振り回されていることを自覚しながらも、未だ振り回され続けていた。

（続く）