「(あ!そうだ、『同志社』のことを話していたんだ。そうだ、『同志社』は、多分….)」
と、ビエール・トンミー氏は、自惚れの沼から何とか自力で抜け出し、友人のエヴァンジェリスト氏に、自らの想像を確認するiMessageを送った。
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「ああ、判ったで。『同志社』やな。『同志社』は、キリスト教系の学校なんやな?」
「なんねえ、今更。アンタあ、最初から知っとったくせに」
「けど、それが何なんや?何で、『同志社』がキリスト教系の学校やあ、いうこと話さなあかんねん?」
「『ジョー』よね」
「おお、せやった。『ジョー』や。その『ジョー』はん、『同志社』とどないな関係があのや?『同志社英語学校』の青い目の英語の先生やなかったんやろ?」
「また、ワシを試そうとしとるんじゃね。『同志社英語学校』じゃのうて『同志社英学校』じゃろ?『英学校』は、単に英語を教える学校じゃのうて、英語で学ぶ学問『英学』を教える学校じゃないねえ。それ以前は、オランダ語で学問を学ぶけえ『蘭学』が中心じゃったけど、明治時代にゃあ、世界は、もうイギリスが中心的存在じゃったけえ」
「おお、そん通りや。『同志社英学校』やで。で、その『ジョー』はんが、『同志社』とどないな関係があんのや、ちゅうてんねん。アンサン、『ジョー』はんが『モアイ像』を渋谷に建てたんか、云うてたな」
「おお、ようよう話をそこまで戻してくれたんじゃね」
「『ジョー』はんは、彫刻家なんか?」
「え?『ジョー』さん、彫刻もしとってじゃったん?」
「『ジョー』はんは、なんで、渋谷やのうて、『上京区ナンチャラ』に建てへんかったんや、とも云うてたな」
「そりゃ、そうじゃろう。ワシ、『ジョー』さんが、どう渋谷と関係があるんか知らんけえ」
「『ジョー』はんは、『同志社』出身なんか?『上京区ナンチャラ』は、『同志社』発祥の地なんやろ?その『上京区ナンチャラ』に『ジョー』はんの私邸があったんやろ?思い入れのある母校発祥の土地を買うて、そこに家を建てたんかいな?」
「アンタ、まだワシを試すん?いや、『ジョー』さんは、『同志社』出身じゃないじゃないね。『創立者』のことは、出身者とは云わんじゃろう」
「え?『創立者』?」
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「(『ジョー』が、『創立者』?)」
と、ビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏からの全く想定外の言葉に、まだ見ぬ『像』ながらも想像していた『ジョー』の『像』が崩れていく様を見るように感じた。
(続く)
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