「(また、アイツに余計な材料を渡してしまった。アイツのことだ、きっと、『ニンベン』と聞いて、『鰹節』とかなんとか云ってくるんだろう)」
と、ビエール・トンミー氏が、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏からのさらなる脱線話を覚悟していると、エヴァンジェリスト氏から、意外な方向のiMessageが入ってきた。
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「『象』と『像』は関係ないん?」
「え?あ…ああ、『ニンベン』で、『鰹…いややや」
「ああ、『象』は普通に動く『象さん』で、その『象さん』に『にんべん』の『鰹節』がようけえようけえ貼り付いて動けんように固まってしもうて、まさに『像』になったいうことなん?....て、誰が思うかいねえ、そうような話!アンタあ、ワシを揶揄うとるん!?」
「いや、そういう訳やあらへんのやけど…」
「『象』いう漢字は、動物の『象さん』からできた、まさに『象形文字』なんじゃろ?」
「え?ああ、せやな」
「で、『象さん』は、大きゅうてよう目立つけえ、そこから『象』は、『かたち』とか『すがた』とか『しるし』いうような意味ができたんよねえ?じゃけえ、『象形文字』にゃあ、『象』の文字を使うとるんじゃろ?」
「おお、アンサン、知っとったか!?やっぱり文學修士様やで」
「ほいで、その『象』に『ニンベン』、あ、『鰹節』で有名な会社の『にんべん』のことじゃないんよ、漢字の『偏』のことじゃけえね」
「ああ、『鰹節』は関係あらへんで」
「その『ニンベン』が付いた漢字の『像』は、『ニンベン』が人間のことを表すけえ、人の姿とか形いう意味のもんじゃったり、人が考えたり思うたりする人とか物とかの『すがた』とか『あり方』いう意味のもんになったんじゃろ?」
「ああ、そん通りなんや」
「それなのに、アンタあ、いうたら、『にんべん』の『鰹節』のことを持ち出して、ワシを混乱させようとするんじゃけえ」
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「(ち、ち、ちくしょう!アイツ、また急いでデジタル・ハンターして、偉そうに説明してきやがったんだ)」
と、ビエール・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の高説にいちいち同意しながらも、してやられた感に、両脚共に動かさぬままに地団駄を踏んだ。
(続く)
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