「(ちょっと、こちらもボケで返してやるか。ふふ)」
と、ビエール・トンミー氏は、挑戦的な含み笑いの表情を作って、友人へのiMessageを打った。
====================================
「『サンタ』は、そりゃ、『成人』やろ。アンサン自身、さっき、『サンタ』は、普通、なんか年寄りな感じや、と云うたやないか。年寄りいうたら、『成人』も『成人』、立派すぎるくらいの『成人』やで。それにやな、『成人』やないと、トナカイのソリの運転免許取れんのやで」
「アンタあ、巫山戯んさんなや。確かに、フィンランドでのトナカイのソリのツアーに参加したら、トナカイのソリの運転免許みたいなんもらえるらしいけど、お遊びみたいなもんじゃけえ、子どもでもその運転免許みたいなんもらえるかもしれんじゃろうがあ。でも、ワシが云う『セイジン』は、『聖人』よおね。『聖人』と入力しょうとして変換ミスで『セイジン』になったんは悪かったけどのお」
「悪かった、なんて思うてへんくせに。アンサンの辞書には、『反省』ちゅう言葉はあらへんやろ」
「ワシの辞書いうか、ワシが使うとるMacBookPro(Late2013)の『macOS Mojave』に付いとる辞書によるとじゃねえ、『サンタ』、つまり、『サンタクロース』は、『四世紀頃,小アジアのミュラの司教であったセント-ニコラウスの,アメリカで一般化した呼称。子供たちに贈り物をした話がアメリカに伝わり,クリスマスに贈り物をする習慣と結びついて,クリスマス前夜に贈り物を持って子供たちを訪れる赤外套を着た白ひげの老人の姿となった。サンタ。』とあるんよ。つまり、『サンタ』は、『聖ニコラウス』で『聖人』とされとるんよ」
「そないなこと、その『モジャモジャ』に教えてもらわんでも、知っとるがな」
「『モジャモジャ』じゃのうて『Mojave』(モハベ)じゃけえ」
「どうでもエエがな、そないなこと。『サンタ』が『聖ニコラウス』で『聖人』やけど、それがなんやねん?『ジョー』はんと何の関係があんねん?」
「じゃけえ、アンタあ、慧眼なんよ。確かに、『ジョー』さんの幼名『七五三太』は、『シメタ』であって、『シチゴサンタ』じゃないけえ、『サンタ』と関係ないようじゃけど、アンタあ、『聖ニコラウス』が、キリスト教の『聖人』で、『ジョー』さんが、そのキリスト教と深い関係があったんを知っとったんじゃろ?それで、態と『シチゴサンタ』と云うてきたんじゃろ?」
「え?...ああ、せや、せや、せやで」
====================================
「(そうかああ。ボクは、知らず知らずに、『ジョー』という男の素性を察していたのか)」
と、ビエール・トンミー氏は、自惚れの沼に嵌ってしまっていた。
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿