「(ボクは、『にんべん』の『鰹節』のことを云おうとしたんじゃないんだ。『像』の『ニンベン』は、『鰹節』で有名なあの『にんべん』と関係あるのか、とアイツが云ってきそうに思えたから、先回りしてそれを否定しようとして、でも、敢えてそのことに触れるとやぶ蛇になるかも、と躊躇しただけなんだ。なのに、こっちの言葉尻を捉えて….いや、違う、違う!)」
と、ビエール・トンミー氏は、コトの本質を思い出し、急に、暴れ馬のように鼻息を荒げながら、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏に抗議のiMessageを打ち始めた。
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「ちゃう、ちゃう、ちゃうで!混乱させとんのは、アンサンの方や。問題は、『にんべん』でも『ニンベン』でもあらへんのや。『ファンファンなんとか』でも『象』でもあらへん。『像』なんや、ワテが元々、話しとったんは」
「ああ、『ひらかたパーク』の『岡田園長(そのなが)』のマントを着た『像』のことじゃね」
「いや、ちゃうで。なんで、ワテが、その戯けた『岡田園長』の『像』のことなんか、話さなあかんのや。ワテが話そうとしたんは、『モア…」
「そりゃ、アンタが、ムキになって、大河ドラマ『どうする家康』批判を始めたけえじゃないねえ」
「おお、そこや!なんで、ワテは、『どうする家康』批判をせなかあかんねん?」
「アンタあ、よっぽど『どうする家康』のことが腹に据えかねとったんじゃろう。ワシは、『どうする家康』見とらんけえ、興味ないのに。でも、アンタが『八重の桜』を途中から見んようになったと聞いて、大河ドラマでよう挫折するんじゃねえ、と云うてしもうたんがいけんかったんじゃろう。それが、アンタの『どうする家康』批判に火をつけてしもうたんじゃ」
「おお、せや!『八重の桜』や!『八重の桜』のことから、『新島八重』の名前出したんや。いや、逆やったかもしれへんけど、アンサンが、『新島』いう名前の人間は、『新島襄』の他に『やえ』がおる云うて、『新島八重』を思い出したんやった。アンサン、『新島八重』を広島の女とか滅茶苦茶云うてたんも思い出したで」
「あののお、ワシ、『新島八重』を広島の女とは云うとらんで」
「シラを切ろうとしてもアカンで。iMessage読み返してみいな」
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「(ああ、ようやく思い出したぞ。そうだ、『新島八重』のことを話してたんだ。『新島八重』は福島の女性なのに、広島の女だとか、祇園のことだとか、アイツ、話を二重、三重に混乱させておいて、その挙句、『どうする家康』のことにも触れて、ボクを脱線させて行ったんだ!)」
と、ビエール・トンミー氏は、ようやく縺れに縺れた話の糸を解し、ようやく、排便を済ませた後の清々しさを頬に浮かべた。
(続く)
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