「(おお、そうだ。アイツ、今度は、渋谷のことを持ち出してくるかもしれないぞ)」
と、ビエール・トンミー氏が、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の手口を先読みした時、エヴァンジェリスト氏から、その先読みの『網』にまんまと引っ掛かってくるiMessageが届いた。
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「ワシ、もうしばらく渋谷に行っとらんけえ、知らんのんじゃが、渋谷にも『モアイ像』があるんじゃろ?」
「おお、そう来るやろと思うとったで」
「へええ、そうじゃったん!うん、ワシ、イクイクイクう!」
「無視するで。アンサン、渋谷にも『モアイ像』で、してやったりと思うとるんやろが、アンサンらしゅうない勇み足やで」
「ワシ、小学生の頃、『ヒモ』くんとは家(実家)の芝生の庭でよう相撲とったんよ。芝生が、土俵みたいに丸く禿げてしまうくらいのお。でも、もう今は相撲とっとらんのんよ。じゃけえ、『勇み足』はせんよお」
「エエ加減にせえよ」
「あ!ばれたん?」
「は?」
「よう考えたら、最近、6歳の孫娘と相撲とっとっるんじゃ」
「勝手にしとりい。エエか、渋谷に『モアイ像』はあらへんのや」
「でも…」
「デモもストライキも最近、めっきり見ることがのうなったで。『そごう・西武』のストライキが新鮮やったくらいや」
「アンタあ、話を逸らさんでや」
「あちゃ!アンサンにそれ云われたら世話あらへんな。ほな、話を戻そかいな。渋谷にあんのは、『モアイ像』やのうて『モヤイ像』なんや。さすがのアンサンもデジタル・ハンターそこまでしてへんかったんやな」
「『モアイ像』か『モヤイ像』か、いうんは、『ギリシア』か『ギリシャ』みたいなもんで、おんなじなんじゃないん?」
「ふん!『モアイ像』は、『モアイ像』で、『モヤイ像』は『モヤイ像』やで」
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「(アイツ、やっぱり知らなかったんだな。ふふふ)」
と、ビエール・トンミー氏は、謙虚にも眼と口の中だけで含み笑いをした。
(続く)
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