「(だけど、アイツ、ボクに『宮崎太陽銀行』に電話させて、どうするつもりなんだ?どうにもなりはしないだろうに。それに、どう云って電話すればいい、と云うんだ?ボクは、『宮崎太陽銀行』に用事はない。口座を持ってもいなしいし、持つつもりもない。お金を借りるつもりもないのに。いや、いかん、いかん。『宮崎太陽銀行』に電話なんかしないぞ!)」
と、ビエール・トンミー氏が、友人のエヴァンジェリスト氏に翻弄される自分自身に喝を入れるようにした時、エヴァンジェリスト氏から性懲りもなく、言葉を繰り返すiMessageが入ってきた。
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「『太陽銀行』云うけえ」
「は?誰がや?誰が、『太陽銀行』云うたんや?アンサン、主語をちゃんと云わなアカンで。主語を省略したがるんは、日本人の悪いところや」
「おお、悪かったのお。アンタの云う通りじゃ。主語がのうても文が成り立つんは、日本語の便利なところでもあるけど、それで誤解が生じることもあるけえね。アンタ、『痴の巨人』じゃねえ」
「エエ加減にしいや。漢字間違えるんは、態とらしいで。それよりちゃんと、誰が、『太陽銀行』云うたんか、説明しいや」
「云うた、いうか、云うんは、電話に出る『宮崎太陽銀行』の人よね。電話に出ると、『太陽銀行』云うちゃってんよ」
「ああ、地元では、『太陽銀行』で通じるんやろな」
「でも、ワシが云うとる『太陽銀行』は、『宮崎太陽銀行』のことじゃないけえね」
「せや、アンサン、関係あらへん『宮崎太陽銀行』のこととか、その近くのラーメン屋のことを話してんのや。ちゃんとほんまもんの『太陽銀行』のことを説明しいや」
「アンタあ、『宮崎太陽銀行』が、『太陽銀行』と関係ない、云うんはちょっと違うで」
「ああ、『宮崎太陽銀行』に電話したら、電話に出る人が『太陽銀行』ちゅうんやろ。そのことはもう聞いたがな」
「違うんよ。そのことじゃのうて、『太陽銀行』も『宮崎太陽銀行』と同じで、『無尽』じゃったんよ、元は。『無尽』は、最初は銀行じゃなかったんよ。で、もう云うたように、『頼母子』とか『頼母子講』、『講』とか呼ばれとったんよ。沖縄じゃあ、『モアイ』云うて、今でもあるんじゃと」
「『モアイ』?ええ?またまた妙ちくりんなコト云いよるで。『モアイ像』は、『イースター島』にはあるけど、沖縄にもあんのか?」
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「(あ、しまった!またやってしまった。沖縄の『モアイ』って、多分、『イースター島』の『モアイ像』とは関係ないんだ。アイツ、またこっちを引っ掛けてきたんだ)」
と、ビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏の『罠』とも云えるものに気付いたが、遅きに失したことに、思わず、両眼を強く閉じ、顔を顰めた。
(続く)
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