「(アイツは、『オノマチコ』(尾野真千子))じゃなく『オノマトペー』と云ったんだ。『オノマトペー』ってなんだか聞いたことはあるような気がするんだが、思い出せなくて、それを悟られたくなくて、つい親父ギャグを云ってごまかそうとしてしまった…)」
と、ビエール・トンミー氏が、自虐の重みに耐えかね、自らの頭を前方に落とした時、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏から、褒めているのか、馬鹿にしているのか判然としないiMessageが送られてきた。
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「『オノマトペー』を『オノマチコ』(『尾野真千子』)とは、アンタあ、なかなか洒落もんじゃねえ。確かに、アンタあ、『カーネーション弁』を『尾野真千子』が、関西弁を『オノマトペー』みたいに分り易う教えてくれたんじゃろう?」
「おお、せやで、せやで。アンサン、なんでも見破ってまうなあ」
「でも、フランス語の『カンカン』(cancan)は、『オノマトペー』な幼児語だけじゃのうて、大人も使う言葉なんじゃろ?その場合は、『ゴシップ』とか『陰口』、『悪口』いう意味なんよねえ?」
「おお、アンサン、そこまで知ってたんか」
「幼児語としての『カンカン』(cancan)は、『鴨』のことで、『フレンチ・カンカン』の踊りが『鴨』の足取りみたいじゃけえ、とも云われとるけど、スカート捲って踊るけえ、下世話なもんいうような語感もあるんかもしれんのんかねえ?」
「え?...ああ、せやったカモやな」
「でも、『カンカン』(cancan)は、ちょっとあんまりええイメージにならんかもしれんけえ、『騒ぎ』とか『大騒ぎ』いう意味の『シャユ』(Chahut)とも呼ばれたことがあったんじゃろ?」
「ああ…カモカモな…」
「でものお、『フレンチカンカン 』じゃあ、逆立ちもするけえ、『カンカンドウリツ』は、『フレンチカンカン 』で『トウリツ』(倒立)することをいうと思うとるんかもしれんけど、『カンカンドウリツ』は、『フレンチカンカン 』のことじゃないんよ」
「アンサン、また、『じゃない』ことを長々と説明してたんかいな。ホンマ疲れるでえ」
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「(関係ないことに態と話を展開して、知識を、ああ、どうせネットで調べて得た知識をひけらかすアイツの手口は、分ってるつもりなんだが….)」
と、ビエール・トンミー氏は、相変らず友人のエヴァンジェリスト氏の罠に嵌ってしまう己に対する情けなさに、口をへの字にするのであった。
(続く)
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