2024年7月4日木曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その539)

 


「(アイツ、何かあると、すぐに金、金、と自分の貧乏をウリにしているが、ボクだって、金を無尽蔵に持っている訳じゃないんだ)」


と、ビエール・トンミー氏は、大きな買い物をする時には、妻の厳しい審査を受けなかればならないことを思いながら、『天窓』を付けた際の自身の心理を語るiMessageを友人のエヴァンジェリスト氏に送った。



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「要するに単位の問題なんや。家を建てる時は異常心理で、10万円、ヘタすれば50万円単位で物事を考えとったんや」

「ワシなんか、単位じゃのうて『基準』なんじゃが、100円かどうかが問題なんよ。ワシ、出来るだけ物を買うんなら、100円ショップで、と思うとるんよ。今は、大体の物が100円ショップで買えるけえね。たまに、100円じゃのうて、300円とか500円、1000円のもんもあって、そうようなもんも買うけど、それも普通の店じゃったら、もっと値段が高いけえのお」

「ワテ、Excelで細かく費用を管理してたんやけど、20万円や30万円単位で費用が増えても、Excelの長い数字の列の右側の数字が変わるだけで全体の数字は全然変わらん(ように見えた)さかい気ィにせんという異常心理やったんや」

「アンタあ、オナゴ見る時も異常心理なるけえ、気を付けんさいよ。なんかあったら、まあ、ワシ、『小菅』に面会に行ったるがのお」

「ああ、アンサン、『小菅』に面会に行った経験あったんやったなあ」

「ほうでえ。あたらしゅうなった『小菅』はどうか知らんけど、当時(1985-1986年頃)は、中に入ったら、なんか病院におるみたいに、やけにクレゾールみたいなもんの臭いがしたんを覚えとる」



「経験者しか知らん情報やな。参考になるで。いや、ちゃう、ちゃう、なんで、そないな情報が、ワテの参考になるねん!」


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「(危ない、危ない。危うく服役者になることを前提にするところだった)」


と、ビエール・トンミー氏は、誰が見ている訳でもないのに、大きく、大きく頭を左右に振った。


(続く)






2024年7月3日水曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その538)

 


「(ウチの『天窓』がベルギー製だったことは、後になって、スイッチに『VELUX』と書いてあって調べて、初めて知ったんだ。スイッチの説明は、日本語と英語だったんだが)」


と、ビエール・トンミー氏は、『VELUX』の小洒落たスイッチを思い出し、『VELUX』とはどんなメーカーか調べたことも思い出し、今になって気付いたことを友人のエヴァンジェリスト氏にiMessageで送った。



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「ウチの『天窓』は、ベルギー製の高機能で小洒落たもんなんやけど、その分、修理代金は高うつきそうなんや」

「『天窓』いうだけあって、修理代金も高いところにあるんじゃろうねえ」

「冗談云うてる場合やないねん。ワテ、『天窓』付けた時、『どーせ付けるなら、雨天感知機能付けたろ』と思って、雨が降ったら自動で閉まる機能をオプションで付けたんや。けど、後々のメンテナンス費用は、その分高いはずやねん。複雑なモンは壊れやすい、という考えは全くなかったんや」

「ワシも『雨天感知機能』欲しいのお。スーパーのカートやカゴの整理の仕事行く時、雨降ると大変なんよ。じゃけえ、雨が降ってきたら、自動で、ワシの体にカッパ(レインウエア)が装着されるようになったら嬉しんじゃけど」



「『天窓』は快適やけど、若気の勢いで後先考えんとオプション付けてまうと、年数が立って(その時は老後の年金生活や)、高額のメンテナンス費用に悩むことになるんや」

「まあ、要するに金じゃね。アンタ、本当のところは、使い切れん程の金は持っとるんじゃろうが、この際、アンタも、アンタんとこのシルバー人材センターに入会して、スーパーのカゴやカートの整理とパソコン指導の仕事始めてみんね?で、金稼いで、修理したらエエんよ」


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「(ふん。アイツ、こっちが何を話しても、自分のことに話を持っていこうとしやがる)」


と、ビエール・トンミー氏は、友だちの顔をして、こちらの話に相槌を打ちながらも、自分の話のネタを考えつ心ここにあらずな様子のアイツこと友人のエヴァンジェリスト氏を思い描き、嫌悪から口の端を歪めた。


(続く)






2024年7月2日火曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その537)

 


「(足場代が高く、外壁塗装も300万円、と見積もられて、当面、家の修繕もやめたんだ)」


と、ビエール・トンミー氏が、組まれた足場が崩壊する様を想像していると、友人のエヴァンジェリスト氏から、茶化すようなiMessageが入ってきた。



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「『スパイダーマン』に頼んだら、足場組まんでも、上手いことやってくれるんじゃないんかのお」

「てへ!ほなら、アンサン、『スパイダーマン』紹介してえな」



「ええで。ほいじゃったら、『スパイダーマン』の携帯電話番号かなんか、連絡先教えてえや」

「懲りんやっちゃ。エエか、『天窓』の修理代の問題は、『足場代』だけやあらへんのや。ウチの『天窓』は、『VELUX』なんや」

「おお!さすが、『SNCF』の大家!」

「『天窓』になんで『SNCF』が関係すんねん?」

「じゃって、『VELUX』いうたら、『fenêtre de toit』じゃろ?」

「んん?...ありゃ、アンサン、ひょっとしてもうデジタル・ハンターしたんか?『fenêtre de toit』は、ひょっとして、フランス語か?」

「『フランス語か?』じゃて、オトボケが相変らずうまいのお。『天窓』は、フランス語で『fenêtre de toit』じゃろ?」

「おお、そやねん」

「ベルギーの公用語にゃあ、フランス語、ドイツ語、オランダ語があって、国内の地域によって使われとる言葉が違うんじゃろ?で、『VELUX』のHP見たら、フランス語じゃったけえ、フランスじゃないけど、『SNCF』の大家のアンタのことじゃけえ、『天窓』に、ベルギーのフランス語圏の会社の『VELUX』を選んだんじゃろう?」

「んん、まあ、当らずとも遠からず、ちゅうところやろか」


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「(アイツ、相変らず、爆速のデジタル・ハンターだ)」


と、ビエール・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏が、すかしたiMessageを送ってくる裏で、必死になって、パソコン(Mac)で検索処理をしている姿を思った。


(続く)






2024年7月1日月曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その536)

 


「(だけど、オナゴたちが、『ビエさまって、あっつ~い!』って云っていたのは、事実だ…あ!いかん、いかん)」


と、ビエール・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏並みのオゲレツ発想をしてしまった自らの頭を、iPhone14 Proを持たぬ左手でコツンと叩くと、あらためて自宅の『天窓』問題を語るiMessageをエヴァンジェリスト氏に送った。



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「要するに、ウチの『天窓』はえろう高いさかい、万一、雨漏りしたら手ェが出せん。雨は漏る、手ェは出せん、となるととドナイすればエエんやろ?修理するにしても即にはデケンやろし、雨漏りの間ドナイ対策すればエエんやろ?」

「傘さしたらええんじゃないん?」

「他人の話、真面目に聞きいや」

「ああ、合羽いうか、レインウエア着るんじゃね!レインウエアじゃったら、『ワークマン』のがええよ。ワシ、今着とる半袖のポロ・シャツも『ワークマン』のなんよ。1枚、780円なんよ。安いけど、しっかりしとるけえ、ワシ、色違いで、合計5枚も買うたんよ」

「あんなあ、ワテ、『天窓』から雨漏りするようになったら、ちゅうこと話してんねん」

「ほうじゃったね。そしたら、唄うたらええんよ」

「へ?」

「『♩Singin' in the Rain』じゃあ」



「唄うてる場合やあらへん。アンサン、アイコラ作るのに、無理無理、話をあらん方向に持っていくんは、エエ加減にしいや」

「何、云うとるんか、分らん」

「エエか、話戻すで。ブルーシート用意しても、結構、高うて、覆いようがないんや。修理費用かて、『修理代+足場代』で50万円もすんねん」


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「(そうなんだ。家の修繕で何に金がかかるか、というと、修繕の為に、足場を組まないといけない場合なんだ)」


と、ビエール・トンミー氏は、組まれた足場を見上げるように、自室の中ながら、視線を天上へと向けた


(続く)






2024年6月30日日曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その535)

 


「(『天窓』から、セールスマンでも泥棒でも、入って来れるもんなら入って来い、だ)」


と思うビエール・トンミー氏の表情は、『天窓』から侵入してくるセールスマンか泥棒か、はたまた友人のエヴァンジェリスト氏にむけたものは、極めて厳しいものになり、その厳しさそのままなiMessageをエヴァンジェリスト氏に送った。



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「ウチには、『天窓』が2つあんのや。一つが、リビングの『天窓』、もう一つが、階段廊下の『天窓』や。両方の『天窓』とも2階から3階の吹抜部分にあるさかい(普通の家の2階の天井の高さやな)ムチャ高い場所やで。訪問セールスの営業が飛び込んで来れるかいな」

「ああ、サンタさんじゃったら、入って来れるかもしれんね」

「サンタさんやったら、『天窓』から入ってきても歓迎するで。アンサン,サンタさんになって、『天窓』からクリスマス・プレゼント持ってきいな。けどな、ウチの『天窓』は、脚立を使ってもとても届かん高さや。地面に落っこちて怪我しても、知らへんで。自己責任ちゅうやっちゃな」



「アンタあ、冷たいのお」

「ああ、ワテは冷徹な人間や」

「その冷たさが、オナゴたちにゃあ、堪らんのじゃろうのお」

「オナゴたちは、ワテの冷たさに、逆に熱うなってまうようなや」

「冷徹なアンタも、アソコだけは凄い熱いらしいけえ、ソレに触れたんじゃないん?」

「コラッ!エエ加減にしいや。話を戻すで」


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「(アイツ、ちょっと隙を見せたら、図に乗ってきやがって!)」


と、ビエール・トンミー氏は、鼻腔を大きく、大きく膨らませた。




(続く)






2024年6月29日土曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その534)

 


「(アイツ、ボクの『松ベンツ』の話をまともに聞く気がないんだ。でも、いい。語るぞお!)」


と、ビエール・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏のチャチに負けない覚悟を自らの胸に膨らませ、ついでに鼻腔も膨らませながら、エヴァンジェリスト氏向けのiMessageを続けた。



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「『松・竹・梅』のどのグレードの車両も、『理想のE』の装備にするんには。オプションが必要なんや。例えば、スライディング・ルーフはどの車両もオプションになってんねん」

「おお!『スライディング・ルーフ』!そのオプションだけで、新車のコンパクトカーが買える位なんじゃろ?」

「せやで。よう知ってんやないか」

「確か、どっかのBlogに書いてあったんよ」

「ああ、あのオゲレツBlogやな」



(参照:【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その14]



「『スライディング・ルーフ』は、クルマの『天窓』じゃろ?」

「そないに思うたことあらへんけど、まあ、そう云えんこともないなあ」

「アンタあ、家(自宅)にも高価な『天窓』付けとるんじゃろ?」

「ああ、せやで。あれは、『若気の至り』やったんや。『何でコナイなヤヤコシイ奴付けたんやろか』と、老人になって反省や」

「ああ、『何でコナイなヤヤコシイ奴(オナゴ)とシタんやろか」みたいな感じじゃったんじゃね」

「いや、ワテ、ヤヤコシイ女子と付合うたことないし、オナゴとはヤヤコシイことなってへんねん。そこは、人徳ちゅうとこやろな。けど、『天窓』は、人徳では解決せえへん」

「ああ、『天窓』がヤヤコシイいうんは、『天窓』から訪問セールスの営業が飛び込んできたりすることなん?」



「アンサン、ほんまアホなんとちゃうか?」


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「(アイツ、『天窓』のこと、全く分ってない)」


と、ビエール・トンミー氏は、今いる自室には付いていない『天窓』を見上げるように、上目遣いになった。


(続く)






2024年6月28日金曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その533)

 


「(いや、違う、違う。ボクたちの高校生時代のことなんか話してるんじゃないんだ)」


と、ビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏のオトボケで、思わずタイムスリップしそうになっていた自分の目を覚ますように、頭を左右に振ると、再び、友人の罠にはまらぬよう、やや強い口調のiMessageをエヴァンジェリスト氏に送った。



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「あんなあ、ワテの話す『ディーゼル』は、ベンツの駆動方式の一つのことで、『宇品線』とは関係あらへんねん」

「『丹那』とも関係ないんじゃろ?」

「あらへん!『当り前だ』や。もう一遍、云うけど、新型『Eクラス』の駆動方式は、こうなってんねん。


・松→「プラグインハイブリッド」(ガソリン駆動+電気駆動)

・竹→ディーゼル駆動

・梅→ガゾリン駆動


となってんのや。で、今のワテの『Eクラス』は、『ガソリン駆動』や。せやさかい、『ディーゼル駆動』は、馴染みがないし、『ガソリン駆動+電気駆動』は。オーバースペック。よって新型『Eクラス』もガソリン駆動がエエ、ちゅうことになんのや」

「アンタ、同じ説明何回もして、くどいで」

「アンサンが、話を逸らしていくからやないか。で、それでやな。車両価格は当然 、『松>竹>梅』やねん。で、この段階で梅が購入候補となるんや。『竹』は、想定外。『松』は、高価で問題外。『松=梅+94万円』やさかいな」

「その『94万円』はもう聞いたで。アンタ、くどいのお」

「今のワテの『Eクラス』の装備は、『理想のE』、つまり、『オプション全部入りE』や。せやさかい、新型『Eクラス』も先代と同じく『理想のE』を目標としたんや」

「『う~ん!最高にE(イー)わああん!』ちゅう感じなんじゃね」



「ほんま、E(イー)加減にしいや」


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「(うっ!しまったあ)」


と、ビエール・トンミー氏は、思わず友人のエヴァンジェリスト氏並みのダジャレを口にしてしまったことを悔いた。


(続く)






2024年6月27日木曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その532)

 


「(アイツが、ベンツの駆動方式に興味があろうとなかろうと構わん!さあ、語るぞお!)」


と、ビエール・トンミー氏が、ベンツのマフラーを強く吹くように、自らの鼻から強く強く息を吹き出し、その勢いそのままのiMessageを、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏に送った。



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「今のワテの『Eクラス』は、『ガソリン駆動』なんや。せやさかい、『ディーゼル駆動』は、馴染みがないねん」

「ワシは、『ディーゼル』、懐かしいんよ。『丹那』知っとるじゃろ?」

「は?『丹那』?」

「アンタあ、『牛田』から、青バス(広電バス)で『翠中』(翠町中学校)のとこまで来とったじゃろ?」

「ああ、『翠町』のアンサン家(ち)によって、そこから、アンサンと一緒に、『皆実高…』、いや、高校に行くようになったさかいな」

「アンタあ、『皆実高校』に行くんに、そうような面倒なルートをとることにしたねえ。よほど、ワシのことが好きじゃったんじゃね?」

「アホ、誤解生むようなこと、云うんやあらへん。アンサンと仲は良かった、ただそれだけのことや」

「よう『間違い』が起こらんかったもんじゃ」



「バカか!『間違い』なんか起きへん!」

「でも、アンタが青バス(広電バス)で降りたバス停は、『中国自動車学校前』じゃったじゃろ?それは、『間違い』ないじゃろ?」

「あんなあ、態と紛らわしい言葉遣いするんやないで。でも、確か、そないなバス停やった、と思うで」

「自動車教習所の『中国自動車学校』の横の土手上にあったんが、『宇品線』の『丹那駅』なんよ。ワシん家(ち)は、ワシが幼稚園の頃まで『宇品』の長屋に住んどったけえ、ワシの父親は、『丹那駅』から『宇品線』で『トーヨー』(東洋工業)まで通っとったんよ。その頃はまだ、『トーヨー』の宇品工場から『向洋』の本社までの『東洋大橋』ができとらんかったけえ、『広島駅』まで行って、乗り換えて『呉線』で『向洋』まで行かんといけんかったんよ」

「そりゃ、えろう遠かったやろな」

「での。『宇品線』は、大昔は勿論、蒸気機関車じゃったと思うけど、ワシが物心つく頃にゃあ、確か、『ディーゼル車』じゃったんよ。父親は、『ディーゼル車』で『トーヨー』まで通うとったんよ。じゃけえ、『ディーゼル』は懐かしいんよ」

「はあ~…」


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「(アイツ、『ディーゼル』という言葉だけで、ベンツとは何も関係ない、自分の思い出を語りやがって。でも、『牛田』からアイツの家経由で『皆実高校』まで通ったのは確かで、それはそれで懐かしい)」


と、ビエール・トンミー氏は、まだ穢れを知らなかった高校生の自分の姿を思い出していた。


(続く)






2024年6月26日水曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その531)

 


「(問題は、『94万円』という数字ではないんだ。『94万円』でも『93万円』でも『90万円』でも、はたまた、もう少し低い金額で、例えば、『80万円』でもいいんだ。追加で払うには、そういった金額は、ちと大き過ぎるんだ)」


と、ビエール・トンミー氏が、『梅ベンツ』と『松ベンツ』との価格差についてそう思っていたが、友人のエヴァンジェリスト氏は、『94万円』、『93万円』という数字に拘ったiMessageを送ってきた。



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「『94万円』いうたら、『93万円』の壁を超えとるじゃないねえ」



「『93万円』の壁?なんや、それ?あ、それ、どないでもエエ。答えんでエエ」

「自治体によって違うかもしれんけど、パートの主婦なんかが、『93万円』を超えたら、住民税の均等割を払わんといけん『かもしれん』壁じゃないねえ」

「どうでもエエがな」

「アンタあ、パートの主婦にとっちゃ、重要なことなんよ」

「ワテ、『93万円』なんて云うとらへんで。『94万円』云うたんや」

「『94万円』も大変な金額でえ。東京都の職員の去年(2023年)の冬のボーナスの平均額が、『94万円』なんじゃけえ」

「また、デジタル・ハンターしたんやな。でも、そやねん。『94万円』はでかい金額なんや。で、ワテ、『梅』を選ぼうとしたんや。でも、価格だけやなかったんやで。先ず、『駆動方式』の問題もあったんや」

「ああ、『ヤナセ』で対応してくれたんが、『工藤』さんじゃったんじゃね。『工藤』さんが、『梅』を勧めたん?」

「ふん!くだらん。真面目に聞きいな。エエか、新型『Eクラス』の駆動方式は、こうなってんねん。


・松→「プラグインハイブリッド」(ガソリン駆動+電気駆動)

・竹→ディーゼル駆動

・梅→ガゾリン駆動


となってんねん」


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「(ようやく、『松ベンツ』を語れるぞお)」


と、ビエール・トンミー氏の目尻と頬とは、ようやく緩んだ。


(続く)






2024年6月25日火曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その530)

 


「(尤も、今回のボクのベンツ選びも、アイツと同じようなものだったんだ、最初は)」


と、ビーエル・トンミー氏は、自然に、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の呪縛を逃れ、本来のテーマへと立ち戻り、エヴァンジェリスト氏にベンツ選びの経緯の解説を始めるiMessageを送った。



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「ああ、アンサン、ひねくれもんやさかいなあ。でも、ワテのベンツ選びも同じようなもんやったんや」

「あれ?アンタの『アレ』も捻れとるん?ワシのは、ちょっと『右旋』な感じなんよ。『BS松竹東急』、『BSよしもと』、『BSJapanext』なんかと同じかもしれん。アンタの『アレ』は、『左旋』なん?」



[参照:チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その417)



「またオゲレツかいな。アンサン、どこからでもオゲレツに持って行くんは、ある意味、大したもんやけど、ワテ、今、真面目に話してんのや。ちゃんと聞きいな」

「ああ、アンタ、金持ちじゃけえ、迷わず、ベンツも『松』にしたんじゃね」

「ちゃう、ちゃう。ワテも、最初、選ぼうとしたんは、『梅』やったんや。一応、確認の為、説明しとくけど、ベンツの新型『Eクラス』には、3種類のグレードがあんねん。『松・竹・梅』で、『松』が勿論、最上級なんや。あ、ここで、『勿論』ちゅう言葉に拘ったらアカンで。兎に角、『松』が最上級やねん。で、ワテが選ぼうとしたんは、最初は、『梅』やったんや」

「ああ、アンタ、恥を知る男じゃけえね。金持ちが、『松』を選ぶんは、如何にも感じで、下品いうか、成金のすることみたいに思うたんじゃろ?」

「まあ、考えてみたら、確かに、無意識裡かもしれへんけど、『恥を知る』ワテやさかい、そないな要素もあったかもしれへんな。でも、意識下では、ワテは、車両価格のいっちゃん安い『梅』を選ぼうとしたんや。何しろ、『松』の価格は、『梅+94万円』なんやで」

「おお!『94万円』!『93万円』を超えとるじゃないねえ」

「なん、当り前のこと云うねん」


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「(アイツ、『93万円』で何を云いたいのか知らないが、こうやっていつも他人の話の腰を折ってくるんだ)」


と、口中で呟いたビエール・トンミー氏は、唇を歪め、不快さを表した。



(続く)






2024年6月24日月曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その529)

 


「(アイツ、ここで何を云っても、結局、自分の云いたいことを云ってしまわないと気が済まないんだ)」


と、ビエール・トンミー氏が、アイツこと50年らいの友人であるエヴァンジェリスト氏の性向を見抜いていると、まさにその通り、エヴァンジェリスト氏は、デジタル・ハンターして仕入れた知識を構わず披露し続けるiMessageを送ってきた。



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「そう、老婆でも少女でもええけど、『ゴルディロックス』は、クマさんの家に入って、そこに置いてあったお粥3つの内、一番熱いんでもなく、一番冷たいんでもないんを食べ、3つあった椅子の内、固すぎるんでものう、柔らかすぎるんでもないんを選んで座ったんじゃと」

「要するに、人間は、なんでも真ん中の無難なんを選びがちや、いうことやろ。そんなん、知ってまんがな」

「ほうよね。ほいじゃけえ、アンケートなんかでも、3段階評価とか5段階評価があったら、真ん中のを選びがち、いうか、少なくとも一番ええんとか一番悪いんとか選ばん人が多いんよね」

「ワテもせやで」

「ワシは、ええもんはええ、と一番ええんを選んだり、悪いもんは悪いと一番ダメなんを選ぶようにしとるで」



「ああ、アンサン、確かに、『極端の回避性』やのうて『極端の選択性(選択性向性)』があるで。アンサンのオゲレツは、『極端』や」

「この『極端の回避性』、『ゴルディロックス効果』を利用して、真ん中のもんを選ばせるように仕向けたり、真ん中んが一番売れるじゃろうと、そこのとこんを一番用意しとくようにする商売を『松竹梅商法』いうんじゃと」

「ああ、ようある商売の方法やな」

「でも、ワシは、そうような誘導には乗らんで。ワシは、金がないけえ、『松・竹・梅』とあったら、迷わず、一番安い『梅』を選ぶけえ」


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「(そうだ、アイツには、昔から、『普通』というものは通じないんだ)」


と、ビーエル・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏が、50年余り前、『広島皆実高校』1年7ホームで、『何会』という何をするのか不明な会を主宰し、自分を強引に会員にしてきて以来の、彼の奇怪な言動の数々を思い浮かべた。


(続く)






2024年6月23日日曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その528)

 


「(そういえば、お酒の『松竹梅』のCMは今、誰がしているんだろう?あ、いかん、いかん。そんなことどうでもいい)」


と、ビエール・トンミー氏が、危うく友人のエヴァンジェリスト氏の術中に嵌りそうになっていると、エヴァンジェリスト氏からは、思いがけず、やや学術的なと云えなくもないiMesageが入ってきた。



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「『松・竹・梅』が、その順番での序列があるんは、確かに、その方が云いやすかったけえ、いう説もあるらしいんよ。でも、松は仙人が食べるけえ一番じゃ、とか、縁起物とされるようになった歴史の順じゃあ、いう説もあるらしいんよ。松が縁起物になったんは平安時代で、竹は室町時代、梅は江戸時代からなんじゃと」

「またデジタル・ハンターしたんやな」

「でものお、『松・竹・梅』にゃあ、元々、序列はなかったんじゃと。『鶴亀』も、『鶴』と『亀』とで、どっちも目出度いけど、どっちが上いうことないじゃろう?『鶴』は千年で『亀』は万年じゃけど、『亀』の方が上いうことはない…あ、アンタにゃ、『亀』の方が大事なんじゃろうけど。アンタの『亀』さんは、最近、ちょっと元気ないんじゃろうけど」



「ちょっと油断すると、またオゲレツや」

「ほいじゃけど、現実には今、『松・竹・梅』には序列があって、商売じゃあ、それを利用したりするんよねえ。『うな重』注文するんも、『松』でも『梅』でものうて、『竹』を注文する人が多いじゃろ?」

「ああ、せやな。ワテも『竹』を注文するで、普通」

「そういうんを『極端の回避性』とか『ゴルディロックス効果』とかいうんじゃと。『ゴルディロックス効果』の『ゴルディロックス』は、イギリスの童話の『ゴルディロックスと3匹のくま』に出てくる少女の名前なんじゃそうなんよ。『ゴルディロックス』(Gold『金』にlock『髪』いうことらしいけど、なんでか、よう分からん)は、元々は老婆じゃったけど、その童話が段々、子どものしつけ向けになるようになって、少女になったらしいんじゃけど」

「なんや、また、ごちゃごちゃと。どっちでもエエがな」


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「(おいおい。アイツ、また、どうでもいい話を始めやがったぞ)」


と、ビエール・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏からの退屈なiMessageが映ったiPhone14 Proの画面から視線を外した。


(続く)






2024年6月22日土曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その527)

 


「(アイツだって、『松・竹・梅』くらい知ってるだろうから、そこからまた無理矢理、『うな重』とか『寿司』の『松・竹・梅』かなんかの話に持って行こうとしているのか?)」


と、ビエール・トンミー氏が、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の出方を想像していると、その想像通りと思われるiMessageが、エヴァンジェリスト氏から送られてきた。



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「確かにのお、『寿司』なんかじゃったら、『松・竹・梅』の『松』が最上級じゃあ、思うんよ」

「当り前や」

「おお、そこなんよ!『当り前』いうところなんよ」

「なんや、またなんか文句いいかいな」

「なんで、『松』が最上級なん?」

「え?」

「なんで、『梅』が最下級なん?」



「あ…」

「『松』より『梅』の方が背が高いけえなん?いや、『松』より『梅』の方が背が高いとは限らんじゃろ?『松』の方が『梅』より綺麗なん?花は、『松』より『梅』の方が綺麗なんんじゃないん?まあ、綺麗いうんは主観の問題じゃけえ、一概には云えんけど」

「あんなあ、アンサン、またぐちゃぐちゃ云いよるけど、せやったら、『松・竹・梅』(しょうちくばい)は、素直に受けれいられるけど、例えば、『梅・竹・松』(ばいちくしょう)じゃったら、なんか文句云うとるみたいで、収まり悪いで」

「おお、アンタあ、さすがじゃねえ!」

「確かに、『裕さん』や『渡さん』が(云うか、『裕さん』や『渡さん』のCMは)、『松竹梅!』(しょうちくばい!)じゃけえ、エエよね。若い『裕さん』にゃあ、『憎いあンちくしょう』いう映画もあったけど」

「まだ『石原プロ』かいな。もう『石原プロ』は解散したんやろに。でも、『松竹梅!』(しょうちくばい!)やさかい、エエやろが」


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「(また、『石原プロ』か。もう賞味期限切れだろうに)」


と、ビエール・トンミー氏は、頬にうんざり感を出しながらも、久しぶりに出てきた『石原プロ』にどこか懐かしさを感じていた。


(続く)






2024年6月21日金曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その526)

 


「(そうだ、語るぞー!ボクは、新しいEクラスが待ち遠しくて堪らないんだ!)」


と、ビエール・トンミー氏が、意気込みを両肩を上げることで示した時、友人のエヴァンジェリスト氏から、その意気込みをやや削ぐような無礼なiMessageが入ってきた。



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「ええよ。ワシ、我慢するけえ」

「我慢!?なんが、我慢なんや!こっちが、どんだけ我慢してきたと思うてんのや?」

「でも、ワシ、アンタを舐めとらんよ」

「何、云うてんのや。アンサン、ワテのこと、舐めまくりやないか!」

「アンタこそ、何、云うとるん?ワシ、ベロ(舌)でアンタの体、舐めとことなんか、『広島皆実高校』1年7ホームで出会うてから一度もないけえ」

「へっ!ベロ(舌)でワテの体、舐めるっ!?」

「でも、アンタあ、ベロ(舌)で、しかも、『超長舌(ベロ)』で、ワシの体、舐めよういうんじゃろ、今から?」



「ど、ど、ど、ドアホめがあ!」

「気持ち悪いけど、アンタ、大事な友だちじゃけえ、ワシ、我慢するで。でも、舐められて、間違うて『その気』にならんよう、なんか別のことを考えるようにするけえ」

「我慢せんでエエ。いや、間違うても、誰がアンサンの体なんか舐めるかいな。くだらんこと云うとらんで、エエから、ワテの『松ベンツ』話聞きなはれ」

「『松ベンツ』?」

「せや、『松ベンツ』や。新型Eクラスには、3種類のグレードがあんのや。『松・竹・梅』で、『松』が勿論、最上級やねん」

「『勿論』?」

「んん?」


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「(なんだ、なんだ?ようやく、こっちが『松ベンツ』を語ろうとしているのに)」


と、ビエール・トンミー氏は、出鼻を挫かれた不機嫌を、まさに鼻を歪めることで表した。


(続く)