「(なんだかんだ云っているが、要するに、『ドリー・キムラ』と『タニー・オータニ』も『架空』のものなんだろうに)」
と、ビエール・トンミー氏が、友人のエヴァンジェリスト氏への批判をあらためて心に抱いていると、エヴァンジェリスト氏から、先を越したiMessageが入ってきた。
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「アンタあ、『ドリー・キムラ』と『タニー・オータニ』も、どうせ『架空』のもん、つまり、ただの絵空事じゃろうに、と思うとるんじゃろ?」
「ああ、思うとるで」
「アンタ、『キムラ緑子』いう女優知っとるか?」
「『キムラ緑子』?....んんむ。なんやら、見たことあるよな気がせんでもない名前やなあ」
「結構、有名な女優なんじゃけど、『キムラ緑子』が、ラスベガス生れの日系三世の歌姫の『ドリー・キムラ』なんよ。『キムラ緑子』が『ドリー・キムラ』になるんは、『大谷亮介』が扮するハワイ・オアフ島生れの日系三世『タニー・オータニ』と『ドリー&タニー』いうユニットで、年に1回くらいらしいけど、イブハウスで芝居仕立ての音楽ライブする時なんよ」
「誰やまた今度は、『大谷亮介』て?」
「『三浦刑事』じゃないねえ」
「はあん?『三浦刑事』?あ、その『大谷亮介』はんも俳優なんやな。で、刑事の役すんのやな」
「ああ、もう刑事役は、辞めたけどのお。『豊さん』と確執があったんじゃないかあ、いう噂もあったけど、そうようなことはなかったみたいじゃけえ。『豊さん』は、ええ人じゃけえ」
「あんなあ、アンサン、誰か知らんけど、また、『豊さん』やなんて、知り合いでもない有名俳優のことを親しげに呼ぶんやないで」
「おお!アンタ、『豊さん』のこと、知っとったんじゃね!」
「知るかいな。何遍も云うけど、ワテ、ゲーノー界のこと、興味ないし、疎いねん」
「でも、『豊さん』を俳優じゃあ思うたんじゃろ?」
「そりゃ、そう思うやろが」
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「(勿論、『豊さん』て、誰のことか知らないし、知りたいとも思わないが)」
と思いながらも、ビエール・トンミー氏は、こうして友人のエヴァンジェリスト氏の術中に嵌っていくことを無自覚ながら、どこかで感じていた。
(続く)
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