「(アイツと初めて会った16歳の時から50年以上経った今でも、アイツはプロレス好きだが、プロレスなんか茶番だ。でも、迂闊にプロレス批判なんてすると、アイツ、その100倍反論してくるからなあ)」
と、ビエール・トンミー氏が、それ以上、プロレス談義にならぬよう、口を閉ざしていたが(iMessageの返信をしないでいたが)、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏は、続けて、プロレスラーの『ドリー・ファンク・シニア』、『ドリー・ファンク・ジュニア』の名前を出したiMessageを送ってきた。
====================================
「それにのお、『ドリー・ファンク・シニア』、『ドリー・ファンク・ジュニア』は男じゃけど、『ドリー・キムラ』は女なんよ」
「男でも女でもどっちゃでもエエがな」
「おお、アンタあ、『ジェンダー・フリー』な進歩的な考えを持っとんじゃね。さすがじゃ」
「でも、ワテ、『オゲレツ・フリー』やあらへんで。それに、プロレスには、女子のレスラーかておるやろ」
「え?アンタあ、女子プロレス見とるん?」
「男子も女子もプロレスなんぞ見るかいな。けど、どうせ、その『ドリー・キムラ』はんも、『ドリー』ちゅう名前にしたんは、『ドリー・ファンクなんちゃら』みたいに『スピニングなんちゃら』でクルクル回ってんからやないんか?」
「『ドリー・ファンク・シニア』、『ドリー・ファンク・ジュニア』の『ドリー』は『Dorrance』で、『ドリー・キムラ』の『ドリー』は、多分、『Dolores』か『Dorothy』なんじゃと思うんよ」
「カタカナやったら同じや。けど、『ドリー・ファンクなんちゃら』の『ドリー』やないんなら、『ドリー・キムラ』はんは、ラスベガス生れの日系三世やさかい、なんにしても、ハーフかクオーターの女子プロレスラーなんやな?」
「え!?『ドリー・キムラ』は、女子プロレスラーなん?」
「へ?」
====================================
「(いくら友人とはいえ、質問に質問で返してくるのは、大っ嫌いだ!)」
と、ビエール.トンミー氏は、嫌悪の言葉を思っただけで、口から発した訳ではないのに、彼の口から飛んだ唾が泡となり、iPhone14 Proを持つ右手に付いた。
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿