「(アイツが、『ナンヨウハギ』が『スズキ』だ、と云ったんだ。それで、『ナンヨウハギ』が人間でないんだったら、何だ、と云うんだ?『ジムニー』の『スズキ』だって、今は会社の名前かもしれないが、元は人間の名前だからな)」
と、ビエール・トンミー氏は、自身の思考の中で、理論武装を施していると、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏から、またまた、背後から刃物を突き刺してくるようなiMessageが送られてきた。
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「アンタあ、それはいけんよ」
「は?何が、『いけん』のや?」
「そりゃ、セクハラでえ」
「何ヌカスねん!ワテがいつセクハラした云うんや?!」
「今よね」
「あんなあ、アンサンとワテとは今、iMessageでやり取りしてんのやで。ワテが、仮にセクハラしたとしても見えへんやろ」
「見えんかったら、ええ、云うん?」
「ちゃう、ちゃう。そないな意味やあらへんし、『仮に』とした話や。それに、ワテ、今、自分の家の自分の部屋に一人でおんねん。それで、どないして、誰に、セクハラできんのや?」
「今、iPhoneでワシにセクハラしたじゃないねえ」
「何で、ワテがアンサンにセクハラすんのや!それも、離れたところにおるアンサンに、iPhoneでどないして、セクハラすんのや!?どついたろか!」
「今度は、パワハラじゃ」
「なんや、言葉でのパワハラちゅうことか。でも、それやったら、してもいーへんセクハラをしたあ、いうアンサンのメッセージの方が、よっぽどハラスメントやで」
「その前に、アンタのメッセージがセクハラなんじゃけえ」
「え?ワテのメッセージがセクハラ?」
「アンタあ、『男らしゅうない』いうメッセージをワシに送ったじゃないねえ」
「ああ…」
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「(そういうことかあ。最近は、『性』に依存した言動に言及すると、セクハラになるからかあ)」
と、ビエール・トンミー氏は、現役サラリーマンであった頃に、社内のハラスメント研修で習ったことを思い出した。
(続く)
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