「(ボクは確かに、スケベな『変態』で、『インモー』への関心も強いが、アイツのように、年がら年中、『アッチ』方面のことばかり考え、どんな話も『アッチ』方面に持っていく『オゲレツ漢』とは違うんだ!)」
と、ビエール・トンミー氏が、一般には通じないであろう『変態』と『オゲレツ』との違いを自らに対して力説していると、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏から、想定外の言葉を含むiMessageが送られてきた。
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「アンタも、『ファインディング・ビエール』いうアニメにされるかもしれん程、可愛い顔しとるんじゃけえ、その可愛いアンタが、『ドリー』を食べるような残酷な真似したら、そりゃ、子どもたちはショックじゃろうがいねえ」
「アンサンに『可愛い』云われても気持ち悪いだけやけど、なんや、その『ファインディング』ちゅうんは?」
「勿論、ディズニーのアニメ映画の『ファンディング・ニモ』とか『ファインディング・ドリー』の『ファインディング』じゃないねえ。ディズニーはもう、『ファインディング・ビエール』を企画しとるかもしれんよ」
「ああ、『ファンディング・ニモ』か、それやったら、聞いたことはあんなあ。なんかでちょこっと見たこともあるよな気もするで。オレンジ色の熱帯魚やろ?」
「そうよね。でも、アンタも、『ニモ』のこと、『カクレクマノミ』じゃと思うとるんじゃないじゃろうねえ?」
「『ニモ』も『カクレクマノミ』もなんもディスニーの映画、特に興味ないさかい、知るかいな」
「『ニモ』は、『イースタンクラウンアネモネフィッシュ』で、アンタと違うて、『カクレクマノミ』じゃないけえ、間違えんさんな」
「それ、どないな意味やねん?ワテが、『カクレクマノミ』いう熱帯魚や、とでも云うんか?一応、云うとくけど、ワテ、魚やあらへんで」
「いや、アンタあ、『カクレヘンタイ』じゃろ。奥様は、アンタが、『ヘンタイ』じゃあいうことご存じないんじゃろ?」
「うっ…」
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「(知らない、知らない、家内は、知らない、ボクが『ヘンタイ』だとは)」
と、ビエール・トンミー氏は、未だに尊敬の眼差しで自分を見てくる十歳下の妻の涼やかな笑顔の背後に、友人のエヴァンジェリスト氏が『総てを見通した』かのような顔をのぞかせてきている思いがし、真に寒気を覚えた。
(続く)
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