「(8:45になって、父や母、妹がテレビの前から離れてくれて、良かった)」
と、ビエール・トンミー氏が、『コント55号の裏番組をぶっとばせ!』の『野球拳』のコーナーが始る前に、家族がテレビから離れると、出来るだけ音を立てぬようチャンネルを変え、テレビの音量も下げ、画面を隠すように、テレビに密着していった自分を思い出していると、その様を見ていたかのようなiMessageを友人のエヴァンジェリスト氏が送ってきた。
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「で、『天と地と』を見終ったお父様やお母様、妹さんが、テレビの前から離れて、アンタあ、こっそりチャンネルを切替えて、『野球拳』に齧りついとったんじゃろ」
「アンサンこそ、齧りついとったんとちゃうんか?」
「いや、ワシは、齧りつかんと、食い入るように見とった」
「懲りんやっちゃ。まあ、『野球拳』のことなんかどうでもエエで。アンサン、そないして話を逸らすんやあらへん。もう何の話してたんか忘れるくらいやけど、確かあ…」
「パンツ姿になった『二郎』さんでも、その『二郎』さんの相方の『萩本欽一』が生み出した『見栄晴』のことでものうて、『みちはる」のことじゃったかいねえ」
「おお、誰か知らへんけど、せや、『みちはる』はんや」
「まあ、『みちはる』も、パンツ一丁じゃったし、靴下も靴も履かんで裸足じゃったけど、『二郎』さんと違うて、『野球拳』で負けたんじゃないけえね」
「はあ?はあ?はあ、はあ、はああ?その『みちはる』はん、パンツ一丁やて、どこぞの変態か?」
「アンタあ、『みちはる』に失礼でえ。そりゃ、『みちはる』は、ギャンブル・マニアで金銭トラブル起こしたり、両腕を体の前で強く交差させて、脇の下から『パッコン、パッコン』いう音を出す妙なパフォーマンスをしたりしたけど、変態じゃあなかったけえ。それに、引退しとったのに、『猪木』が、『新日本プロレス』立上げた時には、参戦して、後輩の『猪木』を助けたりもしたんじゃけえ」
「はあん?『猪木』?なんや、その『みちはる』はんは、プロレスラーやったんか?」
「今頃、何云うとるん。『豊登』は、アンタもオナゴ相手によう使うサバ折り(英語じゃと、『ベアハッグ』)を得意にしとった怪力レスラーじゃあないねえ」
「『豊登』?知るかいな。そないなプロレスラー、どうでもエエやんか」
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「(『豊登』かあ?なんか、どこかで、聞いたことがなくはないような気がするが…)」
と、ビエール・トンミー氏は、プロレスには全く興味はなかったものの、『力道山』による日本のプロレス黎明期を少年として過ごし、大人も含めて多くの日本人がプロレスに熱狂した時代の人間として、『力道山』亡き後、一時的ながら『日本プロレス』のエースにして社長となった『豊登』の名を、自覚はないながらも、脳裡に留めていたのであった。
(続く)
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