「((あ、そうかあ。アイツが作った妖怪みたいなもんなんだな、『ナンヨウハギ』は)」
と、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の性癖を知るビエール・トンミー氏は、エヴァンジェリスト氏の機先を制するiMessageをエヴァンジェリスト氏に送った。
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「ええか、いらんで。いらへんで。妖怪かなんか知らへんけど、その『ナンヨウハギ』ちゅうもんのアイコラ送ってくるんやないで。ええか、アンサンのアイコラは、それこそが、まさに『オゲハラ』やねん。『オゲハラ』は、『オゲレツ・ハラスメント』のことや」
「アンタあ、見損のうたでえ。なんねえ、その『オゲハラ』いう云い方はあ。アンタあ、安易な省略言葉は嫌いなんじゃなかったんねえ?」
「あ…それは、そやけど」
「ワシ、『オゲハラ』いう言葉、聞いたことないけえ、『♪ホゲホゲ タラタラ』のことかあ、思うたんよ」
「やからあ、『オゲハラ』を『♪ホゲホゲ タラタラ』とすんのは、ちーと無理があんのや」
「アンタあ、ワシのことを、『バカタレ』とか『アホンダラ』とか思うとるんじゃないん?」
「まあ、なんだかんだ云うて、友だちやさかい、云いとうはないが、『アホンダラ』とは思うし、iMessageでそう書いたこともあんなあ」
「じゃけえ、『オゲハラ』が『♪ホゲホゲ タラタラ』みたいに聞こえたんよ」
「意味分らへん。それに、iMessageで『みたいに聞こえた』てなんやねん」
「アンタは、ワシの『心友』じゃけえ。文字を読んでもアンタの心の声が聞こえるような感じなんよ。『ホゲタラ』いうんは、『バカタレ』とか『アホンダラ』とかいう意味じゃあと聞いたことあるけえ」
「『心の声が聞こえる』?なんか気色悪いで。兎に角や、『オゲハラ』は『♪ホゲホゲ タラタラ』やのうて、『オゲレツ・ハラスメント』のことや。『ナンヨウハギ』とかの妖怪の『オゲレツ』なアイコラ送ってくるんやないで」
「じゃけえ、『ナンヨウハギ』は、妖怪じゃないけえ」
「けど、『アマビエ』みたいなもんなんやろ?」
「『アマビエ』は妖怪じゃけど、魚みたいな感じじゃろ。『ナンヨウハギ』は妖怪じゃのうて、魚じゃけえ」
「魚?」
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「(『ナンヨウハギ』って、魚だったのか。聞いたことないなあ。見たこともない…と思う)」
と、ビエール・トンミー氏は、未だ知らぬ『ナンヨウハギ』の姿を想像しようと思ったものの、どうしても、友人のエヴァンジェリスト氏が『アマビエ』に扮したようなものをイメージしてしまったが、エヴァンジェリスト氏が既に、そのイメージ通りのアイコラを作ってしまっていることを知らなかった。
(続く)
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