「(確か、あの辺は、『安佐郡』だったんだ)」
と、ビエール・トンミー氏が、『広島』を離れて、もう50年余り経とうというのに、『安佐郡」という言葉が浮かんできたことに驚いていると、その『広島』で共に青春時代を過ごした友人のエヴァンジェリスト氏からも、その驚きを肯定するiMessageが入っていた。
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「ほうよね。確かに、『川の向こう』は『広島市」と違ういう感じは、ワシも持っとるけえ。アンタの住んどった『牛田』の辺りから見て、『太田川』の向こう側は、昔は、『広島市』じゃのうて、郡部、『安佐郡』じゃったけえね。確か、『牛田』辺りが『広島市」の北限じゃったけえ」
「『翠町』のアンサンには、『川向こう』の意識は薄いやろ。『牛田』に住むと『大田川』はすぐそこの川や」
「そうじゃ、『翠町』、『皆実町』辺りじゃあ、『川向こう』(『京橋川』の向こう)も広島市じゃけえね」
「そやろ。でも、ワテには、『川向こう』の『安佐郡』が『広島市』ちゅうのに強烈な違和感があるんや。ま、どっちゃにしてもや、『太田川』とか『安佐郡』とか『牛田』、『翠町』なんか、『広島』以外の読者には、なんのことか分らへん」
「『読者』?アンタあ、時々、妙なこと云うのお」
「アンサンのすっとぼけも大したもんや。なんにしてもや、『川の向こう』の出身の『杉浦圭子』はんとか『高野虎市』はんのことを、ワテは、『広島』(広島市、いう意味やで)出身と認めへんし、仮に『広島』出身やとしても、なんで、『杉浦圭子』はん、『高野虎市』はんのこと、アンサンと話さなあかんねん?」
「そりゃ、『マドレーヌ』の話になったけえよ。アンタは多分、『ベルグの4月』の『マドレーヌ』が好きなんじゃないかあ、思うたんよ。で、『ベルグの4月』の名前の由来は、レマン湖のほとりの『ベルグ』じゃろ。レマン湖のほとりにゃ、『チャップリン』が住んどったけえ、秘書の『高野虎市』さんも一緒におったじゃろう、思うたんよ」
「アンさんのコジツケの連鎖、誰も付いて行けへんで」
「アンタ以外の誰か、付いて来とるん?」
「それにや、そもそもの『マドレーヌ』や」
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「(そうだ。アイツ、急に『フィナンシェ』と『マドレーヌ』との区別について云ってきたんだ。そこから『マドレーヌ』、『ベルグの4月』と話が逸れて行ったんっだ)」
と、ビエール・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏のコジツケの連鎖の発端のまやかしを思い出した。
(続く)
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