「(『ジャン=ポール・エヴァン』なんて、知る訳ないが、なんかフランス人っぽい名前のような気がする。でも、どうして、そんな男の話になってきたんだったか…)」
と、ビエール・トンミー氏が、会ったことも見たこともないフランス人の顔を想像しようとしていると、友人のエヴァンジェリスト氏から、すっとぼけたiMessageが入ってきた。
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「あれえ?アンタあ、『ジャン=ポール・エヴァン』(JEAN-PAUL HÉVIN)知らんかったあ?」
「知る訳ないやろ、そないなフランス人」
「ふふふ」
「なんや、気色悪いで」
「アンタ、馬脚を現してしもうたのお」
「はああ?」
「まあ、アンタ、元々、『馬並み』らしいけえね」
「やめれ、オゲレツは!」
「ありゃ、アンタ、『馬並み』じゃないん?」
「いや、それはそやで、『暴れ馬』や」
「アンタの『相手』ができるんは、『アレフランス』くらいじゃろう」
「へ?『アレフランス』?」
「ああ、アンタにゃあ、原語(フランス語)の方がエエんじゃね。『Allez France』よおねえ。でも、麻布十番にあったカフェもあるパン屋の『アレ フランス カフェ ダリア』じゃないけえね」
「『じゃないけえね』は、もういらんで」
「ワシが云うとる『アレフランス』は、競走馬じゃったんよ。アメリカ生れじゃけど、フランスで活躍したんじゃと。引退した後は、繁殖牝馬として、一流の種馬と『交配』したそうじゃけえ、一流のアンタの『相手』としては不足はないじゃろ。名前も、『Allez France』、つまり、『行け!フランス』いう意味じゃけえ。あ、『SNCF』のアンタにゃ、説明不要じゃったね」
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「(チクショー!また、嫌味を云いやがって)」
と、ビエール・トンミー氏は、あまり見たこともない『SNCF』の電車が、自分を責めるかのように、頭の周りをぐるぐる周る感に襲われた。
(続く)
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