「(いや、『histoire』って、なんか似てるぞ…ひょっとして)」
と、ビエール・トンミー氏は、ある英単語を思い付き、友人のエヴァンジェリスト氏の鼻を明かす思いが逸り、間違っているリスクを顧みず、その英単語をエヴァンジェリスト氏にiMessageで送った。
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「『history』やな」
「おー、おー、『王貞治』!」
「『王貞治』か、まさに『history』な人物やな」
「おー、おー、『王貞治』!」
「くどいで」
「確かに、フランス語の『histoire』は、英語で『history』じゃし、意味は、一般には、『歴史』とされるけど、『物語』いうような意味もあるけえね。まあ、『歴史』は一種の『物語』的なもんであるときもあるけえ、元々は、『歴史』と『物語』とは明確に区別されとったもんじゃないんじゃろう」
「ああ、そん通りや。さすが、『OK牧場大学』大学院のフランス文学専攻の修士様やで」
「『histoire』が、『歴史』でもあり『物語』でもあることを知っとるけえ、『王貞治』のことを『歴史』的な人物とか、『物語』れる人物とせず、『history』な人物、としたんじゃね!」
「いやあああ、そこまで見通されとったんかいな。照れてまうで。アンサンには敵わんなあ」
「ということは、『L’histoire YAMAMOTO』のことも、アンタ、分っとるんじゃね?」
「え?あ、あ、ああ…」
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「(そうかあ…『histoire』は、やっぱり『history』だったんだ。でも、『history』の『YAMAMOTO』って誰だ?)」
と、ビエール・トンミー氏は、逸る思いで口走って(メッセージを打ち走って)しまったことが当たっていたことにホッとしながらも、自らの胸に刺さった友人のエヴァンジェリスト氏の二の矢を見下ろした。
(続く)
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