「(いや、いかん、いかん。また、アイツにどんどん話をそらされていってるいる。なんのことを話していたんだったか…?)」
と、ビエール・トンミー氏が、我に返っていると、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の方から、珍しく話を戻すMessageが入ってきた。
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「いや、アンタの『裏組織』のこと、あんまり言及し過ぎると、ワシの身が危ないけえ、『自己資本』に話を戻してもええ?」
「おお、ええで。そろそろ『自己資本』に話を戻した方がエエ。そうせんと(ワテの商学部関係の知識のことを知ろうとし過ぎると)、アンサン、命落とすかもしれへん。深い入りは厳禁や」
「昔は、『自己資本』=『株主資本』=『資本の部』じゃったじゃろ?」
「ん?あ、ああ、そやで」
「でも、例の『新会社法』で、従前の『資本の部』の位置のところに、『新株予約権』が『負債の部』から引っ越してきたりして、『純資産の部』になったりしたけえ。話がちょっとややこしゅうなったんよねえ?」
「そやな。他人はんが、我が家に引越してきて住むようになったようなもんやな。ちょっとエエ例やあらへんかもしれへんけど、息子が結婚してお嫁さんも一緒に同居するようになったら、嫁姑問題なんか起きるさかいなあ」
「うおー!アンタあ、ほんまさすがじゃねえ。難しい話を分り易うするんが上手いのお」
「まあ、素人はんに理解し易うせんとあかんさかいな。読者の皆はんは、決算書のことなんか、余り知らはりへんやろ」
「『読者の皆はん』?」
「お惚けは、エエがな。それより、『自己資本』や。『新株予約権』はんが『負債の部』から『資本の部』のところに引っ越してきたりして、『純資産の部』になってもうて、どうなったかや」
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「(お、いい調子だ。アイツが話していることは、さっぱり分らないが、それなりに話についていけてるぞ)」
と、ビエール・トンミー氏は、自らの胸が弾んでいることを肉体的にも実感した。
(続く)
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