「(アイツ、ここで何を云っても、結局、自分の云いたいことを云ってしまわないと気が済まないんだ)」
と、ビエール・トンミー氏が、アイツこと50年らいの友人であるエヴァンジェリスト氏の性向を見抜いていると、まさにその通り、エヴァンジェリスト氏は、デジタル・ハンターして仕入れた知識を構わず披露し続けるiMessageを送ってきた。
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「そう、老婆でも少女でもええけど、『ゴルディロックス』は、クマさんの家に入って、そこに置いてあったお粥3つの内、一番熱いんでもなく、一番冷たいんでもないんを食べ、3つあった椅子の内、固すぎるんでものう、柔らかすぎるんでもないんを選んで座ったんじゃと」
「要するに、人間は、なんでも真ん中の無難なんを選びがちや、いうことやろ。そんなん、知ってまんがな」
「ほうよね。ほいじゃけえ、アンケートなんかでも、3段階評価とか5段階評価があったら、真ん中のを選びがち、いうか、少なくとも一番ええんとか一番悪いんとか選ばん人が多いんよね」
「ワテもせやで」
「ワシは、ええもんはええ、と一番ええんを選んだり、悪いもんは悪いと一番ダメなんを選ぶようにしとるで」
「ああ、アンサン、確かに、『極端の回避性』やのうて『極端の選択性(選択性向性)』があるで。アンサンのオゲレツは、『極端』や」
「この『極端の回避性』、『ゴルディロックス効果』を利用して、真ん中のもんを選ばせるように仕向けたり、真ん中んが一番売れるじゃろうと、そこのとこんを一番用意しとくようにする商売を『松竹梅商法』いうんじゃと」
「ああ、ようある商売の方法やな」
「でも、ワシは、そうような誘導には乗らんで。ワシは、金がないけえ、『松・竹・梅』とあったら、迷わず、一番安い『梅』を選ぶけえ」
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「(そうだ、アイツには、昔から、『普通』というものは通じないんだ)」
と、ビーエル・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏が、50年余り前、『広島皆実高校』1年7ホームで、『何会』という何をするのか不明な会を主宰し、自分を強引に会員にしてきて以来の、彼の奇怪な言動の数々を思い浮かべた。
(続く)
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