「(だけど、女の体を測って、『異常発生!』となったら、嬉しいんだが…)」
と、ビエール・トンミー氏が、視線を自身の股間に落としていると、友人のエヴァンジェリスト氏から、今度は、笑う夜叉からまた学者然とした顔の戻ったようなiMessageが入ってきた。
====================================
「ほいで、『あらかん』(『倒産予知アラーム管理システム』は、倒産企業が倒産直前に、資金繰り確保の為にとる行動パターンを見破る指標を決算書から構築したんよ」
「なんや、また急に真面目に戻って」
「アンタあ、危のうなった企業が、資金繰り確保の為にどういう行動をとるか、知っとるじゃろ?」
「え?そないな当り前のこと、ワテに訊くんやあらへんで」
「あ、そうかあ。ほいじゃったら、ワシが説明するで」
「ああ、説明したらエエ」
「先ずするんは、売掛金の回収とか、入ってくる予定になっとるお金があったら、その回収、早めの回収じゃろう」
「まあ、せやろな」
「次にするんは、在庫処分とか、持っとる資産を処分して、換金するんよ。あ!間違えんさんなよ。誰かを攫うて、『監禁』して、身代金を取ろう、ということじゃないけえね」
「アホか!アンサン、誰かに攫われれて『監禁』されて、ずっとそのままになったらエエ」
「アンタ、ワシの身代金、払うてえや。ウチにゃあ、金ないけえ」
「アホンダラあ!誰が、アンサンの為に、金使うんや」
====================================
「(真面目に話を聞いてやっていたら、アイツ、また、巫山戯た展開をしてきやがって)」
と、ビエール・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の『財務分析』の話を全く理解できず、適当な相槌を打っていたことを棚に上げ、そう思った。
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿