「(アイツに対して、油断は禁物だ)」
と、ビエール・トンミー氏が、再び、警戒心に身を固めていると、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏から怪しい低姿勢なiMessageが入ってきた。
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「おお、すまんのお。ほいじゃあ、ワシ、説明させてもらうで」
「まあ、遠慮せんと説明しいや」
「例えばじゃけど、単位は置いといて、『総資産』が100、『自己資本』が50の企業があったとすると、『自己資本比率』は50%で、それ、優良企業いうことになるじゃろ、普通は?」
「ああ、普通はせやで」
「じゃけど、『総資産』100に対して『売上』が2000~3000あったとするとどうなる?」
「さあ、どうなるやろなあ」
「アンタあ、分っとるけえ、なんか余裕な惚け方するのお」
「ありゃ、バレてもうたか」
「説明続けるで。『売上』2000~3000の内、ほんの数%の赤字とか不良債権が発生したら、『自己資本』の50なんか吹っ飛んでしまうじゃろう」
「おお、そや!アンサン、よう気付いたでえ」
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「(アイツの云ってる言葉自体は理解できるし、なんか分ったような気はするけど…)」
と、ビエール・トンミー氏は、顳顬にちょっとだけだが痛みが走るような気がして、眉間に皺を寄せた。
(続く)
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