「(普通だったら…普通だったら…)」
と、ビエール・トンミー氏の頭の中で、繰り言が木霊していると、友人のエヴァンジェリスト氏から、その頭の中に入り込んでくるようなIMessageが入った。
====================================
「でも、ワシのお客さんにゃあ、心配なメッセージが来て、どうしても気になる場合は、そのメッセージにあるURLをクリックするんじゃのうて、その銀行なりの公式HPから入って、対応するもんよ、と注意しとる」
「ソレは、百も承知、二百も合点のことやったんや…やろうけどな」
「詐欺を仕掛けてくる連中は、万に一の偶然に掛けてくるんよ」
「つい、『ああ、○○生命のことやな』と何も考えんでクリニックしてしまったんや…しまうんやろうなあ。恐ろしいで」
「アンタあ、もう立派なひっかりやすい高齢者の仲間入りじゃ」
「え?ワ、ワテはちゃう、ちゃう。ワテは絶対にそんなアホメッセージには引っ掛からん、と思うてた….と思うてたし、引っ掛からへんで。でも、銀行の『緊急電話番号!』に電話して、直ちに停止処理した…らエエんや」
「今日は、土曜日でえ。土曜日に入金とかの処理はされんで」
「そうやな。銀行は休みやな。こんな夜にこんな内容の知らせがメッセージでくる訳ないよな….と思わなな」
「やっぱり、ついさっきの話なんじゃね?」
「え?いや、土曜日の今日のことやったら、おかしいと思わなアカンちゅうことや。けど、ホンマに恐ろしいで。さっきは自動的に反応してしまった、ちゅう感じやろな」
「アソコも自動的に『反応』するようになったらええのにのお」
「今のワテには、いや、今のワテやったら、いやいや、アレがワテやったら、アンタのソレをイジる余裕はないで」
「アレとかソレとか、よう分らんけど、アンタあ、不整脈は大丈夫か?」
「心配や、心配や、ワテやったら。まあ、不正脈は大丈夫や。でも、口座は大丈夫やろか、と思うやろな、ワテやったら」
====================================
「(気付いて直ぐに停止してもらったから、大丈夫とは思うが…)」
と思うビエール・トンミー氏の眉毛は、『への字』になっていた。
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿