「そんなはずはない!」
特派員からの報告に対して、吐き捨てるように云った。
エヴァンジェリスト氏はこのところ、不機嫌なのだ。
「いえ、本当です。トンミー氏自身がそう口にしたのです」
Blog『プロの旅人』は、友であるビエール・トンミーのことばかり採り上げ、自分のことに触れないのだ。稀に触れても、それは、ビエール・トンミーの『妄走』の登場人部としてに過ぎないのである。
「そんなはずはない!」
もうこれ以上、友の『活躍』を見たくないからなのか、エヴァンジェリスト氏は再び、特派員の報告を否定した。
「しかし、本当なのです。トンミー氏は確かに云ったのです。『俺は、タツ!』と」
「そんなはずはない!口だけだ。アイツももう歳だ。今更、タツことなんかあるものか!」
(続く)
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