2017年7月29日土曜日

アメリカに自由はあったか(その13)【米国出張記】



(参照:アメリカに自由はあったか(その12)【米国出張記】の続き)



目を覚ますと、先ず、「う○こ」をした。

前日のロサンザルスの「(Compri)Hotel」とは違い、ニューヨークのホテル「Grand Hyatt New York」では、「う○こ」は無事、流れ、トイレも詰まることはなかった。

「(Compri)Hotel」が悪かったのではない。エヴァンジェリスト氏がいけないのだ。多分、トイレットペーパーを使い過ぎたのだ。

「お尻の穴の付近についたもの」を念入りに拭き過ぎたのだ。

その日は、トイレットペーパーの使い方、トレイの流し方を考えた。

拭くべきものはきちんと拭かないといけない。そうしないと、パンツにそれがついてしまうではないか。

だから、少しトイレットペーパーで拭くと、一旦、トイレの水を流した。その上で、更にトイレットペーパーで拭き、もう一度、トイレの水を流したのだ。

1989年6月23日(2017年の今から28年前のことだ)の朝のことであった。

午前6時、エヴァンジェリスト氏は、目覚し時計の音で目を覚ました。




眠い。それはそうだ。2時間程しか寝ていないのだ。しかし、7時に、上司とサンペイ先輩とロビーで待合せだ。

前夜(というか、ほんの2-3時間前)、「おにぎりと味噌汁」とそれから2-3杯のコークしかお腹に入れていないので、「う○こ」が出るかどうか心配であった。

朝に「う○こ」をしておかないと、日中に「う○こ」をしたくなるかもしれない。

しかし、ここは海外だ。生活の要領の分らないニューヨークだ。もよおした時、どこでトイレを使えるか分らない。だから、朝の内にトレイを「う○こ」を済ませておく必要があったのだ。

お腹の中に入ったものは少なかったが、しかし、毎朝、「う○こ」をする習慣が体にも染み付いていたのだろう。「う○こ」は無事に出た。

そして、トイレを詰まらせることもなかったのだ。

ようやくまともな旅(出張)になってきた。エヴァンジェリスト氏は、ホッとした。

そうして、シャワーを使い、歯磨きもし、着替えて、7時少し前にロビーに降りた。

上司もサンペイ先輩もまだ来ていなかった。

出すべきものを出し、汗も流したので、寝不足ではあったが、快適な朝であった。

しかし、エヴァンジェリスト氏は、程なく、この「世界一周の旅」(世界一周の出張)は、苦難の旅であることを再認識させられることになるのである。

時計が7時を回っても、上司もサンペイ先輩も来ない。

まあ、昨晩遅くまで(いや、今日の未明まで)飲んでいたのだから、多少は遅れるさ。

しかし、7時10分になっても、まだ来ない。少し心配になって来た。



だが、7時20分になり、

「よ、おはよ!」

サンペイ先輩が現れた。上司はどうした?

「あの人(上司のことだ)、まだ寝てるよ」
「え?」
「先に行ってくれ、って云うから、先ず、俺のアパートまで行こう」

サンペイ先輩のアパートメントは、その日の訪問先(米仏合弁の提携先企業)のオフィスに向う電車の途中にあるのだ。

「俺、アパートで、シャワー浴びて、着替えたいから。アパート着いたら、あの人にまだ電話するさ」

上司たるものが、この体たらくは何なんだ、と思ったが、まあ、提携先企業訪問までに来てくれればいい。まだ、時間はある。サンペイ先輩は、自分のアパートに立ち寄ることを計算して、朝7時という早めの時間で待合せたのだ。

こうして、サンペイ先輩とエヴァンジェリスト氏とは、グランド・セントラル駅から電車に乗った。

7時台であったが、電車には通勤客が少なからずいた。海外で、通勤電車に乗っていることが、なんだか不思議であった。

今回の海外出張は、エヴァンジェリスト氏にとってまだ2回目であったが、海外で通勤電車に乗るには初めてであったのだ。

ニューヨークの前に行ったロザンゼルスでは、移動は総て自動車であった。

初の海外出張であったトロントでも、移動は総て自動車であったのだ。

しかし、あの時、自分が別の判断をしていれば、自分もニューヨークで毎日、通勤電車に乗っていたんだろうなあ、とアメリカ人通勤客を見ながら、感慨にふけった。

あの時、自分が別の判断をしていれば……..




(続く)






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