「Windowsですか?」
JANAのスチュワーデス(CA)は、今度は、ビエール・トンミー氏に声を掛けて来たのであった。
「ええ」
と答えながら、ビエール・トンミー氏は、合点した。
おかしいと思っていたのだ。スチュワーデス(CA)が、エヴァンジェリスト氏にだけ、仕事を忘れ、声を掛けるのは、おかしいと思っていたのだ。
確かに、エヴァンジェリスト氏はハンサムではあるものの、自分で云うのも面映いが、自分の方が、エヴァンジェリスト氏よりずっとハンサムだ。
スチュワーデス(CA)は、美しい白いiBookではなく、実は、エヴァンジェリスト氏に魅かれていたのであろうから、美しい白いiBookは持っていないが、自分に対して、スチュワーデス(CA)が、仕事を忘れ、声を掛けて来て、何ら不思議なはないのだ。いや、必然ですらあるのだ。
だから、スチュワーデス(CA)は、今度は自分に、
「Windowsですか?」
と、声を掛けて来たのだ。
「ええ」
と、答えながら、ビエール・トンミー氏は、スチュワーデス(CA)の次の言葉を予期していた。
「いいですよねえ。アタシ……..」
と。
しかし、スチュワーデス(CA)が実際に発した言葉は…..
「いいです…….」
「いいですかあ、Windowsって?」
と、何やら不満気な声音で、スチュワーデス(CA)はそう云った。
「は?」
スチュワーデス(CA)の想定外の言葉に、ビエール・トンミー氏は、思わず顔をスチュワーデス(CA)の方に向けた。
「え!?」
そのスチュワーデス(CA)は、
「iBookですか?」
と、エヴァンジェリスト氏に声を掛けたスチュワーデス(CA)であった。少なくともビエール・トンミー氏にはそう見えた。
そのスチュワーデス(CA)は、先程、エヴァンジェリスト氏に未練を残したまま機内前方に向ったはずであった。まだ、自分の後方に戻れている程の時間は経っていないはずだ。
スチュワーデス(CA)は、同じ制服を見ているので、別のスチュワーデス(CA)を見間違えているのだろうか?
しかし、ビエール・トンミー氏の疑問に被せるように、スチュワーデス(CA)が質問をぶつけて来た。
「Windowsって、使い辛くないですかあ?」
(続く)
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