「Windowsって、使い辛くないですかあ?」
という、更に想定外の質問というか、不満を、乗客のビエール・トンミー氏にぶつけて来たJANAのスチュワーデス(CA)は更に、今度は、具体的な質問、いや、不満をぶつけて来た。
「Windowsって、どうして、ファイルやフォルダーのアイコンを変えられないんですか?」
スチュワーデス(CA)は、具体的な質問、いや、不満をぶつけて来た。
「いや、変えられますよ」
ビエール・トンミー氏は、冷静になろうと、唾を飲み込んでから、答えた。
「どうするんです?」
「あ、それは、マウスをデスクトップ上で右クリックして、『個人設定(R)』を選択して…..」
「ああ、そんなことは知ってます!」
「え!?」
「面倒臭いけど、そうすればできることは知ってますう」
「じゃあ、いいのでは…….」
ビエール・トンミー氏は、タジタジになっていた。
「マウスをデスクトップ上で右クリックして、『個人設定(R)』を選択して…..」
「ん、もう!そんな面倒臭いことをして、でも変えると、どのアイコンもみんな変っちゃうじゃないですか!」
「いや、『コンピューター(M)』アイコンと『ゴミ箱(R)』アイコンと『ユーザーのファイル(U)』アイコンとは別々に設定….」
「ん、もう、もう!私は、エクセルのファイルのアイコンだけ変えたいんですう」
スチュワーデス(CA)は、『ですう』と口を尖らせた。
ビエール・トンミー氏は、『ですう』と尖った口を可愛いいと思った。
だが、気を取り直して、
「えへん!それは可能です!」
と、生やしていないカイゼル髭を撫でるような仕草をして答えた。
「ああ、それはですなあ。先ず、[マイドキュメント]を開き、[ツール]メニュー→[フォルダオプション]をクリックし、次に、[フォルダ オプション]ダイアログボックスが表示されたら、[ファイルの種類]タブをクリックし、[登録されているファイルの種類]ボックスから変更するファイルの種類を選択するんです」
自分でも感心するくらい、スラスラと解説できている。
「えへん!それから、[詳細設定]ボタンをクリックし、[ファイルの種類の編集]ダイアログボックスが表示されたら、[アイコンの変更]ボタンをクリックして…..」
と、ビエール・トンミー氏が悦に入った説明をしていると、
「ドン!」
と飛行機の床が鳴った。
ビエール・トンミー氏は、思わず、床の方を見た。どうやら、スチュワーデス(CA)が片足を上げ、思い切り、それを床に落としたようであった。
「ん、もう、もう、もう!いい加減にして下さい!そんなこと知ってますう!でも、誰がそんな面倒臭いことをするんですか!」
「いや、まあ…..」
ビエール・トンミー氏は、自身の甘さを思い知らされた。
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿