「Windowsって、どうして、テン・キーに『=』がないんですか?!」
と、JANAのスチュワーデス(CA)は、重ねて質問、と云うか、詰問をビエール・トンミー氏に浴びせてきた。
「Macのテン・キーには、『=』があるんですってよお!Excelでは頻繁に『=』を使うのよお!それなのに、いちいちShittを押して『=』を使うのは面倒臭いじゃなの!」
と叫ぶ口から、スチュワーデス(CA)はまた、唾を飛ばし、飛ばした唾はまた、泡状になり、ビエール・トンミー氏にWindows PCのキーボードに付着した。
ビエール・トンミー氏の右手が、再び、キーボードに伸びた。
ビエール・トンミー氏は、右手をキーボードに伸ばし、薬指で、泡状になった唾を掬った。
「ああ、もっと責められたい!」
と、誰にも聞こえぬ程の声で呟くと、薬指を自らの口に持っていった。
「ああっはあ….」
吐息を漏らした。下半身でも何かが漏れたような気がした。
「んんん……」
ビエール・トンミー氏は、両瞼を閉じた。口が半開きになっていた。
「Windowsって、どうして、テン・キーに『=』がないんですか?!」
と、責めるスチュワーデス(CA)の唇を瞼の裏に浮かべていた。
「ああ……」
俺は、もう、あのスチュワーデス(CA)に囚われてしまった。
そう思った時であった。
(続く)
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