2017年12月14日木曜日

「Windowsですか?」(その22)[流涎のビエール・トンミー氏]



「Windowsって、どうして、テン・キーに『=』がないんですか?!」

と、JANAのスチュワーデス(CA)は、重ねて質問、と云うか、詰問をビエール・トンミー氏に浴びせてきた。

「Macのテン・キーには、『=』があるんですってよお!Excelでは頻繁に『=』を使うのよお!それなのに、いちいちShittを押して『=』を使うのは面倒臭いじゃなの!」

と叫ぶ口から、スチュワーデス(CA)はまた、唾を飛ばし、飛ばした唾はまた、泡状になり、ビエール・トンミー氏にWindows PCのキーボードに付着した。

ビエール・トンミー氏の右手が、再び、キーボードに伸びた。






ビエール・トンミー氏は、右手をキーボードに伸ばし、薬指で、泡状になった唾を掬った。

「ああ、もっと責められたい!」

と、誰にも聞こえぬ程の声で呟くと、薬指を自らの口に持っていった。



「ああっはあ….」

吐息を漏らした。下半身でも何かが漏れたような気がした。

「んんん……」

ビエール・トンミー氏は、両瞼を閉じた。口が半開きになっていた。

「Windowsって、どうして、テン・キーに『=』がないんですか?!」

と、責めるスチュワーデス(CA)の唇を瞼の裏に浮かべていた。

「ああ……」

俺は、もう、あのスチュワーデス(CA)に囚われてしまった。

そう思った時であった。


(続く)



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