「ん、もう、もう、もう、もう!いい加減にして下さい!iPhoneみたく小さい機械にできることが、もっと大きい機械のWindows PCでできないんですか!」
と、責めるJANAのスチュワーデス(CA)の唇を瞼の裏に浮かべていた。
「ああ……」
また、あのスチュワーデス(CA)に『Windows』のダメなところを指摘してもらいたい。問い詰めてもらいたい。
しかし、『Windows』は古女房のようなものだ。問題があるからといって、棄てる訳にはいかない。
会社生活ではずっと、『Windows』が世に出てからはずっと『Windows』を使ってきた。
リタイアした今も、自宅で使うのは『Windows』だ…..
「んん?リタイアした今も……?」
ふと、またしてもある疑問がビエール・トンミー氏の眉間に浮かんだ。
しかし、その時であった……….
「Windowsって、どうしてPDFファイルを加工できないんですか?!」
おお!待っていたんだあ!
ビエール・トンミー氏は、顔を通路側に上げた。例のスチュワーデス(CA)が、眉を吊り上げ、睨んでいた。
よし、来たああ!
「いや、できますよ。『いきなりPDF』等のソフトを入れて…..」
「Macだったら、標準機能でできるんですってよ!」
そうそう、その調子!
「ああ、それは……」
「なんですか、その『いきなり』なんとか、って。それ、どうやって入手して、どうやってPCに入れればいいんですか!」
いいぞ、いいぞ!
「はあ!?」
「貴方が言い出したんですから、ちゃんと教えてくれなきゃ困ります!」
え?.....な、な、何を云い出すのだ…….そのアプローチは、想定外だ。
スチュワーデス(CA)は、『貴方』と云った。『お客様』と云うべきであろう。
いやいや、そんな一つの言葉だけではなく、口のきき方そのものが既に乗客に対するものではなくなっていたのだ。
しかし、それでいいのだ。周りの乗客は妙に思うかもしれないが、もうそんなことはどうでもいい。
でも、『教えてくれなきゃ困る』と来るとは……..
「貴方、システム部なんだから、『いきなり』ステーキかなんか知らないけど、そんなの入手したり、PCにインストールしたりするの得意でしょ!」
「は?....は?」
スチュワーデス(CA)は何故、自分がシステム部だということを知っているのだ?
いや…….違う、自分はもう…….
(続く)
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