2017年12月11日月曜日

「Windowsですか?」(その19)[流涎のビエール・トンミー氏]



「Windowsって、どうして、使い終わったら、こまめに終了させないといけないんですか?」

席の横の通路に、JANAのあのスチュワーデス(CA)が、険しい顔をして立っていた。

「Macって、使い終わったらスリープさせるだけで、シャットダウンなんかさせないんですって」

どうして、あのスチュワーデス(CA)が今またここにいるのだ。ついさっきまで、前方席の方にいたはずだ…….

「なのに、どうしてWindowsって、まめに終了させないといけないんですか?!!!」

スチュワーデス(CA)は唾を飛ばして、ビエール・トンミー氏に突っかかってきた。

「いや、ま、それは…..」






「いや、ま、それは….定期的に再起動しなければPCが不安定になるので、.私は、1日の終りにはシャットダウンさせます。でも、面倒だったら、スリープさせるのでもいいとは…..」

スチュワーデス(CA)の剣幕にたじろぎながらも、ビエール・トンミー氏はなんとか反論を試みたが……..

「スリープさせても、スリープ解除に時間がかかるじゃないですか!」
「いや、それ程、時間がかかる訳でも……」
「Macって、スリープ解除に時間が余りかからない、っていうか、『あ』と云う間もない程直ぐにスリープは加除されているんですって」


「…….」
「なのに、Windowsったら、まめにシャットダウンしなくちゃいけないし、スリープさせたらさせたで、解除に時間がかかるし、ん、もう!」

スチュワーデス(CA)は、『ぷりぷり』を表現したらこうなだろうという表情でビエール・トンミー氏を睨むつけると、再び、前方に向って行った。

そしてまた、数列前の席で、

「やっぱりいいですよねえ。iBook、いいなあ」

と、エヴァンジェリスト氏に対して、甘えた声で話し掛けていた。

スチュワーデス(CA)の口撃にうまく反論できなかった悔しさと惨めさに、ビエール・トンミー氏は、

「エ、エ、エヴァの奴う!」

と歯軋りをすることもできず、顔をWindows PCに落とした。

「Windowsの奴う!」

と、呻いたその時、Windows PCのキーボードに泡状のものを見つけた。

「唾だ!」

そう、泡状になったものは、唾であった。

「なのに、どうしてWindowsって、まめに終了させないといけないんですか?!!!」

と叫びながら、あのスチュワーデス(CA)が飛ばした唾であった。

ビエール・トンミー氏の右手がキーボードに伸びた。



(続く)



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