2017年12月12日火曜日

「Windowsですか?」(その20)[流涎のビエール・トンミー氏]



「Windowsったら、まめにシャットダウンしなくちゃいけないし、スリープさせたらさせたで、解除に時間がかかるし、ん、もう!」

と云うJANAのスチュワーデス(CA)の口撃にうまく反論できなかった悔しさと惨めさに、ビエール・トンミー氏は、顔をWindows PCに落とした。

「Windowsの奴う!」

と、呻いたその時、Winows PCのキーボードに泡状のものを見つけた。

「唾だ!」

そう、泡状になったものは、唾であった。

「なのに、どうしてWindowsって、まめに終了させないといけないんですか?!!!」

と叫びながら、あのスチュワーデス(CA)が飛ばした唾であった。

ビエール・トンミー氏の右手がキーボードに伸びた。






ビエール・トンミー氏は、右手をキーボードに伸ばし、薬指で、泡状になった唾を掬った。

「あのスチュワーデス(CA)めえ!」

と、誰にも聞こえぬ程の声で呟くと、薬指を自らの口に持っていった。



「ああっはあ….」

吐息を漏らした。下半身でも何かが漏れたような気がした。

「んんん……」

ビエール・トンミー氏は、両瞼を閉じた。口が半開きになっていた。

「どうしてWindowsって、まめに終了させないといけないんですか?!!!」

と、責めるスチュワーデス(CA)の唇を瞼の裏に浮かべていた。

「ああ……」

俺は、あのスチュワーデス(CA)に囚われ始めている。

そう思った時であった。



(続く)



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