「貴方たちは、態と社内のPCをWindowsで統一したのでしょ。社員が皆、貴方たちを頼らないといけないから」
と、JANAのスチュワーデス(CA)は、ビエール・トンミー氏に、主張する。
「Windowsって、バージョンアップすると使い方が変って、混乱させられるけど、それも態とでしょ!故意に、仕様を変えてるんでしょ!」
Windowsを作っているのは、『自分たち』ではないが…….
「言い訳はよして!いいわ、私、覚悟を決めたから……」
な、な、何の覚悟を決めたのだ、JANAのスチュワーデス(CA)は?
「言い訳はよして!いいわ、私、覚悟を決めたから……」
と、云うと、スチュワーデス(CA)は、ポケットから、ボールペンとメモ用紙を取り出し、何やら書き始めた。そして、
「はい、これえ」
と、恋人に何か物を渡す時のように、腰を突き出し、腕をぐっとそり返る程に伸ばし、メモをビエール・トンミー氏に差し出した。
「は!?」
ビエール・トンミー氏は、メモを受け取った。
メモには、『090-….』という番号が書いてあった。そして、
『今晩は、福岡JANAホテルに泊まるの。PCも持って来ているわ』
とも書き添えてあった。
そうか、福岡に出張するところなんだ。今、初めて認識した。しかし、もうリタイア(退職)したのに、何故、出張しているのだろう…..
と、またまた眉間に疑問を浮かべようとしていると、
「うふっ....」
と、微かな声というか音が聞こえた。
スチュワーデス(CA)が、機内でのやり取りで初めて、一瞬だが、笑顔を見せたのだ。
スチュワーデス(CA)の両頬にはエクボもできていた。
「かわいい!」
ビエール・トンミー氏は諒解した。スチュワーデス(CA)の『覚悟』が何であるのか、諒解した。
ビエール・トンミー氏も、スチュワーデス(CA)に笑顔を返した。
しかし、
「ふん!」
と、スチュワーデス(CA)は顔を背けて前方席の方に去って行った。
(続く)
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