2018年5月23日水曜日

【曲がったことが嫌いな男】石原プロに入らない?入れない?[その97]



「エヴァさん、曲がれるよね?」

列のすぐ前にいた女性が振り向いて云ったその言葉を聞いた時、エヴァンジェリスト氏は、20年、30年後の日本では、「ハリルのやるサッカーに全てを服従して選ばれていく、そのことのほうが僕は恥ずかしいと思っている」と発言する本田圭佑とは異なり、「会社に(上司に)服従していく」ことをしないと、出世できなくなることをまだ知らなかった。


-------------------------------


「はい、アーン」

と、ニキ・ウエ子さんが、恋人のオン・ゾーシ氏の口にキャンディを入れてやるのを見て、エヴァンジェリスト氏は、妄想の世界に入った。

1982年の冬、エヴァンジェリスト氏は、同期の1人であるオン・ゾーシ氏の依頼で、オン・ゾーシ氏がニキ・ウエ子さんと、スキー場に向うクルマ(セダン)に同乗していた。

「(….口移しの方がいい…..ボクは)」
「(ああ、唇を舐めたい…….いや、オン・ゾーシは、もう……)」
「(いやいや、オン・ゾーシは、ソレ以上のことをもう、ニキ・ウエ子さんと…..)」

と妄想は勝手に展開し、エヴァンジェリスト氏のの体のある部分が、『自分は曲がったことが嫌いです』と云わんばかりに硬直した。

ニキ・ウエ子さんは、同期ではなく、2期上の先輩であったが、短大卒なので、年齢は、エヴァンジェリスト氏の同期達とほぼ同じであった。

修士課程に行く等、回り道した入社したエヴァンジェリスト氏は、ニキ・ウエ子さんより4歳年上であったが、オン・ゾーシ氏とニキ・ウエ子さんとは、同い年であった。

期は違っても同世代で普段から親しく、ニキ・ウエ子さんは、エヴァンジェリスト氏達とスキーに行くことになったのだ。

いや、オン・ゾーシ氏とは、スキーに行く前に、『親しい以上の関係』になっていたのだ。

「(コンチクショー!........うっ…..)」

再び、エヴァンジェリスト氏の股間は下着に擦れる程となり、思わず『呻き声』を発してしまいそうになった。

「オン、お茶飲む?」






ニキ・ウエ子さんは、オン・ゾーシ氏のことを、2人だけの時は(その時は、エヴァンジェリスト氏もいたが、そこにいないに等しい状況であったのだろう)、『オン』と呼んでいるらしい。

「まだいいよ」

オン・ゾーシ氏は、エヴァンジェリスト氏が聞いたことのない甘い声で返した。

「(当り前だろう。今、キャンディを口に入れたばかりじゃないか!)」

しかし、キャンディよりも甘い関係の2人には、そんな理屈は関係ないのだ。

馬鹿馬鹿しくなったエヴァンジェリスト氏は、『硬直した』体のソノ部分を鎮める為にも眠ることとし、目を閉じた……..

「だってええ….」
「….でもさあ…」

どこか遠くに2人の会話が聞こえる。

「あの時、オンったらあ….」
「ニキだって」
「ふふ」



体のソノ部分は、一向に鎮まりそうではなかった。

『キュ、キュ、キューッ!』


(続く)



0 件のコメント:

コメントを投稿