京急川崎駅方面に向かうエスカレーターで降りながら、周囲を見廻した。
真後ろを見た時、そこにいた(上にいた)女子高生が、制服のスカートの裾を抑え、キッと睨んできた。
「(いや、違う!そんなんじゃないんだ!)」
背後の方にあの視線を感じたのだ。南武線で感じたのと同じ視線を。
しかし、また女子高生に睨まれたくはなかったので、ビエール・トンミー氏は、そのまま前を向いていた。
「(ボクは若い娘が好きだが、ロリコンではない。少なくとも20歳以上でないと……)」
エスカレータで下まで降りると、直ぐ近くに横断歩道がある。そこを渡り、少し歩くと京急川崎駅だ。
信号が赤だったので、妻と並んで待った。そして、ふと横からいい匂いがしてきたので、視線を遣った。
「えっ!」
小声だが思わず声を出してしまった。
(続く)
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