(住込み浪人[その136]の続き)
「では、今度こそ、正真正銘の最終問題でーす!」
笑っていない笑顔で、司会者の一人、ナンカイノー・アメカイノーが、宣言した。EBSテレビのスタジオCで収録中のクイズ番組『テイトー王』だ。
「『サトミツ』と『住込み浪人』ビエール・トンミー君の一騎打ちです。早押し問題です。勝った方に、1000点入ります!」
『テイトー王』のクイーンである『テイトー』(帝立大学東京)の学生にして、スタンハンセン大学も認めた才媛である『サトミツ』こと『佐藤ミツ』は、広げた両肘を机につき、上半身を前傾させた。
「(さあ、来い!)」
誰にも見えていなかったが、『サトミツ』の両膝も回答席の下で開き、両足は、踵を床から浮かせ、全身で戦闘態勢に入った。
「(んぐっ!んぐっ!)」
『サトミツ』の回答席の下部から漂う臭いに、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年の股間が、『反応』した。
『住込み浪人』ビエール・トンミー青年の股間も、誰にも見えてはいなかったが、これでは、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年が、意図的に勝とうとしなかったとしても、とても勝利は覚束ない、と思われる状況であった。
「では、問題です!」
ナンカイノー・アメカイノーの言葉に、スタジオC内に緊張が走った。
(続く)
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