(住込み浪人[その152]の続き)
「なーに、あの人?」
チェック柄のロング・スカートに七分袖のミルク・ティー色のニットのセーターを着た女子学生が、蔑むような眼差しを向けて呟いた…….うつむいて歩いていた為、その女子学生の顔はよく見えなかったが、少なくとも、そう云ったように、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年には聞こえた。
OK牧場大学の『住込み浪人』用の『寮』を出たところであった。
「(パジャマがバレたのか?)」
パジャマと云っても、茶色で、ジャージに近いものであり、パジャマとは見えないはず、と思っていたので、少々慌てた。しかし…..
「四田(OK牧場大学の四田キャンパス)で『インモー』着てる奴、初めて見たわ」
女子学生は、並んで歩いていたチャコールグレイのジャケットの下に白いV字のシャツを着た男子学生にそう云った…..と思った。
「(え?『インモー』?)」
『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、女子学生に顔を向けた。
「(綺麗だ…….え!?『サトミツ』!)」
そこには、またもや『サトミツ』がいた…..と思った。
(続く)
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